入試問題で受験生の平均点を下げるための工夫について記事の続編です。 今度は、生徒側がどんな工夫をすれば良いか、という視点で書いてみました。
今回は、この記事の続編です。
今回は、対策する側からの話なので、前回の記事よりも少し単純ないぢわる(ひねり)についての話が多いです。
【7:問題からヒントをもらう】
枝番のある大問で、(2)や(3)で迷ったら(1)を見直しましょう。
過去問の問題集や模試などの解説で「(2)は(1)で得た〇〇がヒントになっている。」という説明を見ることが少なくて、私は不満です。
難関校の入試問題では、単純なヒントではなく「ひとひねり」といういぢわるが仕掛けてあることも有りますが、中堅校まででしたら(1)の解答が次の(2)のスタート地点になっている場合が多く、前回の記事の【3:たった一本の道をさがさせる】への対策になったりします。
【8:問題文からヒントをもらう】
これは、この記事の最後に書いたアプローチですね。
ミスを減らすためには:見落としの防止 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
『親の意見と茄子の花、千に一つの無駄も無し』
ほとんどの場合、問題文に書かれた数字や情報は余すところなく全部使われます。 つまり、まだ使っていない情報が問題文に残っていたら、それをスタートにして考えてみると正解へのヒントになることが多い訳です。
問題文からヒントをもらうというアプローチは、最近増加傾向にある「まだ習っていない事柄の説明文を読み、設問に解答する。」という形式の入試でも使えますが、それについては理科に関する記事で書きます。
【9:差を求めて解く】
「数字の列を見たら、算数でも理科でも差を計算して書き込んでみる」というのは<数列>や<数表>、理科の計算単元などでは常識だと思います。
文章題でも差を調べると正解への道がみつかる、というものは多いです。
たとえば<ニュートン算>は、<仕事算>のように見えて、実は<追いつきの旅人算>で<差を調べ>、それを<比の合成>で解く問題で、この記事のように線分図を書くときに<差>を書き込めるかどうかで成否が別れます。
【10:差を元に戻して解く】
上の項の逆ですが、出題者側が差を計算して、その差だけを受験生に見せるといういぢわるがあります。
代表的なのが、<二人の距離のグラフ>の問題です。
これは、普通のダイヤグラムにすれば簡単に解けるようになれます。
【11:上手な書込みをする】
全開の記事で書いたいぢわる【2:複雑な動きを整理させる】への対策です。 紙の上で整理する、それも工夫された書式を使って整理すれば、単純な「マジック・ナンバー・オブ・セブン対策」に留まらず、表などの書式そのものが正解への道筋を教えてくれます。
<仕事算>を<しはじ表>を使って解いた例です。
【12:逆向きに考えてみる】
<場合の数>における<余事象>
<割合の3公式>のうち くらべる量÷割合=もとにする量 の<相当算>
<濃度>の<蒸発に関する問題>
<濃度>で<水の濃度>を考えさせる出題
<立体図形>で<すきまの体積>
この手の問題演習で<逆を考える>ことに気付いた瞬間、生徒は実に良い笑顔を浮かべます。 その笑顔を見ることが、私のモチベーションのひとつです。
生徒側がする工夫について、思い付くまま列挙してみました。
苦手単元の穴をしっかりつぶし、ここに書いたようなアプローチのパターンを身に付けることが成績向上の基本です。
その上で、前回の記事に書いたような正答率を下げるいぢわるへの対応力を積み上げることが難関校の合格を勝ち取るための王道だと考えます。