駒澤塾:中学受験の算数・理科

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ガスの炎が青いのは炎色反応

土曜日の朝「チコちゃんに叱られる」の再放送を見ていて驚いた。 

ガスの炎が青い色をしている理由を「完全燃焼しているから」で済ませていた。 

たしかに不完全燃焼をしている時は赤い炎になりますが、じゃなぜ青なの?が抜けてた。 

 

たしかにガスも不完全燃焼をしている時は赤い炎になります。
(中学受験でもバーナーの使い方の手順として学びます。)

ろうそくの炎が赤く見えるのも、不完全燃焼によってできた炭素が熱せられて光を発するせいです。
(中学受験でも炎心、内炎、外炎の性質として詳しく学びます。)

 

チコちゃんに叱られる」は生徒にも視聴をすすめる良い番組です。 
ですが、
クイズバラエティとして「うけ」を狙いすぎて、無理な理由付けをしている事が多いです。
今回もそれを強く感じました。

 

不満に感じたポイントは二つ。
完全燃焼で「炎が赤くなくなる」という説明は良い。
じゃなぜ「赤くなくなる」と「青い色が現れる」のかという説明がなかった。
むしろ、
その直後に恒星の表面温度と色の話題を出したことでポイントがぼやけていた。
炎の色と恒星の色は別物という話までで終わり、見ているこちらが不完全燃焼。

 

ガスの炎が青いのは炎色反応です。
炎の中で生成される中間物質が発する、物質特有の色です。
現代の打ち上げ花火でカラフルな色を演出するしくみと同じ原理です。

 

 

今回の番組では(今回の番組でも)、一つ一つの知識に間違いはありませんでした。
でも、解説の流れに違和感。
・ガスの炎が青いのは完全燃焼しているから
・完全燃焼しているガスの炎は温度が高い
・恒星の色とは違い、温度が高いから青いのではない
解説はここまで。 なぜ青いかという説明は無かった。

 

できれば、こういう流れにして欲しかった。
・ガスの炎が青いのは完全燃焼しているから
・不完全燃焼では炭素の粒が光って赤く見える(ろうそくの事例)
・赤い光が消えた後に青色に見えるのは炎色反応(花火の事例)
ここまでで良いです。

尺が足りなくて恒星の色との違いも扱うなら、
・燃焼での発光と、恒星の光の違い
・恒星の色と表面温度の関係
という説明をした上で、「もし台所のコンロで、リゲルの表面温度(1万2千度)相当の炎を発生させたら何が起きるか」というシミュレーションをしたら、すごく面白い話になったはずです。

 

という訳で、「チコちゃんに叱られる」を見ていて、もったいないなと思った話でした。
登場した先生がたの説明に嘘は無かったです。
でもその切り取りと並べ方で違和感の残る解説になっていました。
こういう番組作り(切り取り方)をしていると、まともな先生が取材に応じなくなる恐れが出るのでは?

 

実はこの「ガスの炎が青い」という謎は、私自身の課題でした。
・中学受験の勉強をしている時に恒星の表面温度と色の関係を知った。
・その視点で台所のガスの炎を見て、そんな高温になっているはずがないと悩んだ。
・謎を頭の片隅に置いて、五十年。
 Google検索で解説を発見した時のスッキリ感はすごく大きかったです。

 

 

 

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