6年生はいよいよ受験の年、春から模擬試験がスタートしています。
志望校に対する合格可能性の数字はどうだったでしょうか。
合格可能性に20%の数字が並んでいませんか?
【偏差値】
マンスリーや組分けテストでも模擬試験でも「偏差値」という数字が出ます。
偏差値とは、試験を受けた生徒全体の中でどんな位置づけに居るかのデータです。
テストは実施回によって難しすぎたり易しすぎたりします。
それを調整して標準的な分布での位置付けとして数値化したものが偏差値です。
【合格可能性】
合格可能性とは、過去にその学校を受験した同偏差値の生徒が、どのくらいの確率で合格したかという統計的なデータです。
受験生と保護者はそのデータを見て受験する学校名を決めます。
・・・という認識では不足です。
【模試の目的】
模擬試験を受ける最大の目的は「合格に必要な学力を得るための勉強」へのモチベーションを創成することであると私は考えます。
そのモチベーションをどの時期に「真の意味で」得られるか、それによって合格できる学校が大きく変わります。
という訳で、6年生の1年間について簡単にまとめてみました。
6年生の1年間(一般的な例として推奨するパターンです)
一学期 :受験に必要な知識の仕上げ、自分の立ち位置の確認
夏期講習:不足している知識の補完、または更なる知識の習得
二学期 :志望校に特化した演習、志望校の組み合わせ見直し
冬期講習:基盤となる知識の再確認、「本気の気持ち」の醸成
直前期間:本気になった生徒がすごく伸びる一カ月間
【立ち位置の確認】
「合格に必要な学力を得るための勉強」へのモチベーションを得るための第一歩が「自分の立ち位置の確認」ということです。
その目的を考えれば、合格可能性に20%が並んでいるというのはまずいです。
偏差値とは、生徒にとって(どれだけ説明したとしても)単なる数値です。
しかし具体的な学校名に対して、20%、50%、80%といった合格可能性が返って来れば、切実な実感が得られるはずです。
80%や50%の合格可能性の出た学校名を具体例として見ることが大切です。
「勝負の夏」とも呼ばれる夏期講習の始まる前に、この実感を得ておくべきです。
4月の模擬試験で20%が並ぶような学校名を書いてしまった場合、7月で対策をとりましょう。
【7月の模擬試験では】
することはシンプルです。
本人の偏差値を中心に、上下に5ずつ偏差値の間隔をあけて学校名を書きましょう。
たとえば生徒の偏差値が50なら、40、45、50、55、60 という感じです。
一学期の段階で2月1日の午前がどこ、午後がどこ、2月2日は、といった受験計画の立案はしなくて良いです。 って言うか無駄です。
今の段階で受験する学校名が確定しているご家庭はほとんど有りません。
つまり、受験回ごとの競争倍率(=受験者数)はまだ確定していないわけです。
よって、5ずつ間隔をあけた学校名は偏差値だけで決めてしまって良いです。
★ ★ ★ 今日の記事はここまで。以下は関連記事です ★ ★ ★
偏差値に関する基礎知識、四谷大塚と首都圏模試の偏差値相関グラフ
偏差値と合格可能性、受験スコープの使い方
偏差値について:3:高校受験と中学受験 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
中学受験と高校受験の偏差値、および双方の受験の質の話
第1回合判で20%が並んだ場合は - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
今日と同じテーマですが、別視点から書いた記事です。
「今」の時期のモチベーション造り - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
モチベーションを作るために偏差値や合格可能性を使う方法
一学期の模擬試験は合格率ではなく立ち位置を知るためのテストという話
四谷の昔の呼び名は「合不合判定予備テスト」でした。
Sapixの一学期は「志望校判定サピックスオープン」
二学期は「合格力判定サピックスオープン」
テストの呼び名が、この事を表しています。