駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

中学入試の変化:生徒の名前が読めない

十数年ほど前、レーシングカートに興味を持ちました。 

ネットでレース入賞者の名簿を見ていて感じました。 

「ジュニアの部の選手名、読めない名前だらけ!?」 

当時、塾の生徒たちの名前で読めない子はほとんど居ませんでした。 

ところが最近は正しい読み方のわからない生徒がすごく増えてます。 

これは何を意味しているのか、考えてみました。 

 

「中学入試の変化」シリーズ、最初の記事では学習塾の変化を書きました。 
学習塾のカリキュラムが「必要以上に」難化していないか、という話です。 

komazawajuku.hatenablog.com

 

次の記事では学校側の変化を書きました。 
多くの学校が導入している適性検査型の入試の話です。 
「運不運の要素が強い」ので、ギャンブルとして扱うべきという話です。 

komazawajuku.hatenablog.com

 

【名前の変化】 
今回の記事では名前の変化について考えます。 
読めない名前について、その是非を問うエントリーではありません。 
親は、子供の名前に対して最高の名前を贈ろうとするものです。 
私もそうでした。 
子供の名前に良し悪しは有りません。 
ただ、明らかに変わってきた子供の名前、それが何を示しているのか、その考察です。 
名前の変化は子育てに関するパラダイム・シフトの兆しだと考えています。 

 

パラダイム・シフト】
パラダイム=特定の時代や分野において支配的な規範となる「物の見方や捉え方」 
パラダイム・シフトの中にいる者は、今までのパラダイムについては理解できますが、これから何が起きるかを想像するのは難しい作業です。 

パラダイム・シフトの渦中に居る者は、なかなか変化に気付けないということ。 
ですが、あきらかに何かが変わって来ています。 

 

【名前の変化】
十数年前には、中学受験をする生徒の名前はまだ保守的でした。 
それが最近、かなり変わって来ていると感じています。 
・使っている漢字の画数がすごく多い名前 
・伝統的な名からかけ離れた名前 
・とても特殊な漢字の読み方をさせる名前 
そういう名前が急激に増えています。 

 

【完璧な親・シンドローム】 
あるブログで見たキーワードが鍵穴のひとつにはまりました。 
そのキーワードとは「完璧な親シンドローム」です。 

シンシアリーさんのブログ

sincereleeblog.com

 

 

【時代の背景】

2025年に中学受験をする生徒とは、どのような世代の子なのか考えてみました。 
母親の誕生は、平均初産年齢31歳から逆算すると1982年となります。 
12歳になった1994年はYahoo! がサービスを開始した年です。 
18歳になった2000年にはGoogleが日本でのサービスを開始してます。 

つまり、知りたいことを即座に検索できるようになった最初の世代です。 


そして、同時に・・・ 
大学選びは進学ガイド
アルバイト選びはan
就職はリクルート
転職はデューダ
結婚はゼクシィ
住まい探しはアパートマンション情報
出産・子育てはたまごクラブ、ひよこクラブ
人生の全ての局面で、情報を簡単に分かりやすく入手できて来た世代でもあります。 

 

【時代が生む変化】 
検索からは「正しそうに見える」情報が即座に手に入ります。 
情報誌からは「理想的に思える」情報を潤沢に入手できます。 
それらメディアから「市場価値の有る」情報を多量に浴びて来た世代です。 
その結果、世代のパラダイムが「完璧な親・シンドローム」に向かっていると感じます。 
その結果、何が起きているのか? 何に気を付ければ良いのか? 
それらについては、今日の記事を出発点にして今後の記事にして行きます。 

 

しつこいですけれど、私は読めない名前を非難しているのではありません。 
ただ、それが示しているパラダイム・シフトは何か? 
それに対して何を気をつけるべきか、考えたいのです。 
生徒の幸せのために。 

 

 

読めない名前 日経新聞社 2012年




 

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