駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

ミスを減らすためには:見落としの防止

生徒がしてしまうミスのひとつに「問題文に書かれた情報の見落とし」が有ります。 良く見る防止策のひとつに「大切な所に下線を引きましょう」というものが有りますが、それが出来れば苦労はしない、って気がしませんか。 今日は、じゃどうするか、という提案です。 

 

「大切な所に下線を引きましょう」という方法は、大切な所をさっと見つけられる生徒にとっては、見落としの防止という点で意味が有るでしょう。 しかし、大切な所を見つけるというのも訓練が必要なスキルです。 叱るだけで出来るようになることではありません。

 

と言う訳で、逆から見た方法を提案します。

それは大切な所に線を引いてから解くのではなく、「使った情報に線を引き」消し込んでいく方法です。 むずかしいことではありません、これまで通り問題を解きながら、あるいは解き終わったと思ったタイミングで、使った情報に下線を引くだけです。 

 

『親の意見と茄子の花、千にひとつの無駄も無し』という私の好きな定型句があります。 入試の問題文にも、これは言えます。 ごくわずかな例外を除いて、問題の文中に書かれた情報はその全てが解く作業の中で使われます。

 

ごくわずかな例外というのは2つ。 ひとつは内部進学用の問題で、もうひとつは迷彩の目的で問題文に不要な情報を混ぜた出題です。

内部進学用の問題というのは、小学部からの進学希望者対象のテストで中学入試の問題を転用する際に(1)、(2)、(3)という枝番から難度の高い(3)を省略して(1)と(2)だけがそのまま出題されているような場合です。 問題文の中の(3)に用いるはずの情報がそのまま残りますので、無駄が出ます。 

もうひとつの迷彩の目的というのは、問題を作ったけれど難度が低すぎたので余計な情報を混ぜて受験生を戸惑わせようとしたような問題です。 たまぁに見かけます。 私はこういう問題の作り方、大嫌いです。 

 

例外を除けば大部分の入試問題では問題文中の情報を使い切る訳ですから、使った情報に下線を引いて消し込んで行っても情報が余っていたら、何か見落としているサインです。 あれ?と感じて見直しをすればミスを発見できるかも知れません。 また、たとえそのまま終わってしまって失点しても、解説を読んだ時点で自分の見落としに気付けば貴重な失敗体験として意識に残り、その後のミスを防止するのに役立ちます。

 

この使った情報の消し込みはミスの防止だけでなく、得点力の向上にも効果が有ります。

枝番が(1)、(2)、(3)と有る問題で、後の方の枝番で解き方が判らない場合に、まだ使っていない情報が何か探して、それをスタートにして考えてみると正解へのヒントになることが多くあります。

また、使った情報に下線を引いていくという作業によって、大切な情報を見つけ出すというスキルも向上させることが出来るはずです。

 

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