Sapix小6算数の611-08「小数・分数」では、エジプトの分数とも呼ばれる「単位分数の和」の問題が登場します。
「全ての分数は分子が1の分数の和の形で表すことができる」という事を使った問題です。
これの解き方は、分母が積、分子が和になるような2数を探すのが王道です。
しかし、その解き方は難しいと感じる生徒が多いので、とりあえず楽に答えを得られる「フィボナッチの強欲計算法」を解説します。
例題はデイリーサピックス611-08「小数・分数」の12ページ、(3)です。
【問題】
冒頭に、何千年も前のエジプトの人々が、分数を分母の異なる単位分数で表したことと、その計算方法が説明されていますが、省略します。
この方法で次の分数を単位分数の和で表しなさい。
(3) 26/35
【解説】
解き方そのものは単純です。
元になる分数から、分子が1で最大の分数を引き算する。
引き算した残りから、次の分子が1で最大の分数を引き算する。
これを繰り返すだけです。
ただ、その「分子が1で最大の分数」を求める方法は書いてありません。
自宅学習で質問されて困った保護者様向けに説明を作りました。
言われてみれば、単純な話ですよね。
分母を分子で割り算して、整数で求めた商に1を足したものが「分子が1で最大の分数」の分母です。
今日は、ここまで。
単位分数の和(エジプト分数)の解き方は、冒頭でも書きましたが「分母が積、分子が和になるような2数を探す」のが王道です。
受験参考書でも、この解法で解説しています。
その解法そのものは部分分数分解(昔はキセル算と呼んでいました)などにもつながる考え方で、中学・高校の数学にも登場する重要な知識です。
しかし、その解法を理解しないと問題に手をつけることすら出来ない、というのはもったいないです。
とりあえず、強欲計算法で解けるようにさせてしまいましょう。
強欲計算法で苦労する中学入試問題については、あらためて記事にします。
例えば「分数の和の式」を 複数 求めなさい、という問題。
(慶應普通部 2008年)(海城中学 2008年)
例えば「分母が積、分子が和になるような2数を探す」ことを求める問題。
(筑波大付属駒場 2006年)(東京農大第一 2011年第2回)
これらに対応するには、もう一段深い理解が必要です。
逆に言えば、そこまでのいぢわるをして来ない学校なら強欲計算法で足ります。
例えば (麻布中学 2007年の大問4)などにも十分に対応可能です。
参考:入試問題で出題者が仕掛けてくるいぢわるに関する記事です。