大問5の枝番(3)は、男子9.8% 女子6.5%という低い正答率でした。
この問題で正解を出せなかった生徒のために、何をするか具体的にまとめました。
解くためのコツを習得すれば、正解を得ることができます。
今日は3回シリーズの記事の最後です。
樹形図の利用 四谷合不合20240407大問5 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
つるかめ算 四谷合不合20240407大問5 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
続き物の記事ですが、上記の2本を読んでなくても大丈夫です。
【問題】
ある回転寿司の店が,マグロの寿司30個,サーモンの寿司を30個,エビの寿司を30個作
りました。
そして,この90個の寿司を45枚の皿に2個ずつのせました。
このとき,皿にのっている2個の寿司の組み合わせは,同じ寿司が2個の場合も含め,すべての組み合わせがあります。
また,次のことがわかっています。
・マグロの寿司がのっている皿は,全部で21枚ある。
・マグロの寿司がのっていない皿のうち,サーモンの寿司がのっている皿は全部で10枚ある。
これについて,次の【 】にあてはまる数を答えなさい。
(3)マグロの寿司とサーモンの寿司が両方とものっている皿は【 ウ 】枚あり,サーモンの寿司が2個のっている皿は【 エ 】枚あります。
【解説】
正答率を下げるために出題者が仕込むいぢわるにはパターンがあります。
このブログをキーワード「いぢわる」で検索すると記事が出て来ます。
例えば 2021-02-19:出題者のするいぢわる:算数編
出題者のいぢわるを打ち破るアイテムが持てれば得点力は上がります。
今回使うアイテムは、次の3つです。
☆出題者からのヒントを確実に受け取る → (1)や(2)の見直し
☆マジック・ナンバー・オブ・セブン対策 → 整理表の活用
☆情報を全て使い切る = 親の意見と茄子の花、千にひとつの無駄も無し
☆ (1)や(2)の見直し
今回、(1)には重要な情報が含まれています。
それは「寿司の組み合わせがたったの6通り」だということです。
これは「全ての組み合わせを書き出しても6通り」ということを示しています。
☆ 整理表の活用
6通りの組み合わせに対して、皿の数と寿司の数で情報を整理してみます。
問題で示された情報と、そこから計算できる数値を書き込んであります。
これで、ほとんどの情報を一枚の表で見られるようになりました。
ためしにサーモンの数とエビの数をそれぞれ式にしてみましょう。
【サーモンの数】
ウ × 1 + エ × 2 + (10-エ) × 1 = 30
ウ × 1 + エ × 2 + 10 - エ × 1 = 30
ウ + エ = 20
【エビの数】
(12 - ウ) × 1 + (10 - エ) × 1 + 28 = 30
12 ー ウ + 10 - エ +28 =30
50 - (ウ + エ) = 30
ウ + エ = 20
???ありゃ、同じ式になっちゃった。
ここからは解けないぞ、困ったな、さてどうしよう?
そこで
☆ 情報を全て使い切る
まだ使っていない情報が無いか、問題全体を探してみます。
すると・・・有りました。 問題本文の3行目のこれです。
『すべての組み合わせがあります』
これを活かせないか考えながら先程の整理表を見て行くと・・・
表の一番下、エビ+エビの行に解答への道筋が見つかります。
・エビの寿司は全部で30個
・エビ+エビの皿は14枚
・そこに乗っているエビは14 × 2 = 28個
・残りのエビの寿司は2個
・すべての組み合わせの皿を作るには
ウ = 12 - 1 = 11
エ = 10 - 1 = 9
ということになるわけです。
わかってしまえば、単純な話ですね。
3つのアイテムを使いこなせれば、解けるようになれる問題だと思います。
『わかってしまえば単純な話』
これ、要注意です。
テストやテキストの解答・解説は出題者が作っています。
正解への解き方が一本道で書かれています。
今回のように『わかってしまえば単純な話』の場合、解答・解説を読んで「あっ、わかった」って思った生徒さん、次に同じような問題に出会った時に解けるようになっていると思いますか?
テストは解き直しが大切と言われます。
解き直しの目的は、次に類題に出会った時に解けるようになることです。
あたりまえのことですが、それを理解していないシーンを頻繁に見かけます。
要注意です。
今回の合不合判定テストでは、もう一つ男子10%、女子5%の問題が有りました。
大問6の(3) 四角錐の体積を展開図から求める問題です。
次の記事でこれの攻略法を書きます。