駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

方程式は中学でどのように習うか

中学受験の算数を教える際に、大人がやってしまう間違いのひとつが「方程式で解く(文字式を立てて、式の変形で解く)」方法で指導してしまう、です。 何度か書いて来ましたが「式の変形が簡単」というのは「大人の幻想」です。 

 

このブログの中で「式の変形が簡単」というのは「大人の幻想」だということを何度か書いて来ました。

★ブログを始めた翌週には第一弾

  方程式を教えるべきか - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

★大人がしてしまいがちな間違った指導法

  わかった?という質問 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

★受験用の解法の方が速いし、楽だし、ミスも減るという話

  ミスを減らすためには:生徒がすること - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

大人はすっかり忘れてしまっていますが、文字式を立てて式の変形で答えを得るという解き方は、中学に入ってから時間をかけて膨大な回数の演習をして身に付けて来たものなのです。

★正負の数のどこが子供にとって難しいのか

  数の学習:中学受験後に学ぶもの - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

 

中学入試の問題を方程式で解こうとすると、単純な(消去算・加減法)ですら二元一次方程式になりますし、ニュートン算なら変数が3個で式は2つという連立方程式を差を調べて解くことになるわけです。

★消去算を文字式を使わずに表だけで解く方法

  式を使わない消去算の解法 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

 

 

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 中学の数学で、第一歩の正負の概念に関する学習は先の記事で書きましたので、二元一次方程式に至るまでをどのように学ぶのか、文部科学省の資料を調べてみました。

 

www.mext.go.jp

 このページで、以下のタイトルをクリックすると全229ページのPDFが得られます。

【数学編】中学校学習指導要領(平成29年告示)解説(PDF2971KB)

 

 

PDF資料の12ページ目の表を見ると、二元一次方程式を解けるようになるのは中2の終わりです。 つまり、そこまでを学ぶのに2年かける訳です。 2年です。

 

学習塾で上位クラスの生徒なら中1の夏期講習で扱い始めたりしますが、それでも数カ月間学習してようやく身に付く解法なのです。

 

文字式、式の変形、連立方程式を用いた解法、それらは「簡単」でしょうか?

中学入試の問題解説には文字式を変形して答えを出している物がたくさん有ります。 大人にとっては簡単に見えます。 生徒にも「こうして、こうして、こうすれば、ほぉら答えが出るでしょ。」と流れを追って説明すれば判った様な気にさせられます。

 

もちろん、生徒自身が文字式で素早く、正確に答えを出せるなら何も文句は有りません。 ですが、判った様な気になっていないか、判らせた様な気になっていないか、注意しておくことをお勧めします。

 

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