昨年(2018年)は皆既月食や火星の大接近など天体の話題がたくさん有りました。 当然、今回の入試の理科でも<地学・天体>単元の出題が想定されます。 天体に関しては何度かブログでも取り上げましたので、体系的に学習する順番を織り込んで整理しました。
2018年の出来事については1月15日に書きました。
宇宙関連の話題だけでも、これだけ有ります。
1月31日 夜半に皆既月食
6月3日 宇宙飛行士金井さん5ヶ月半の滞在を終え地球帰還
7月28日 未明に皆既月食・皆既月食の状態で月は沈んだ(月入帯食・月没帯食)
7月28日 火星が衝になる日(太陽・地球・火星と一直線に並んだ)
その影響で火星は天球上で逆行
7月31日 火星と地球が大接近 金星に次いで明るく輝いた
8月1日 金星、木製、土星、火星が同時に夜空に見えた
これに加えて「はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」への到着などもありましたし、太陽系に関する出題が多いと予想されます。
出題される内容についてはご志望の学校レベルによって大きく変わると思いますが、難関校で出されそうな問題として想定されるのは以下のようなものです。
月食の月の欠け方(と、日食の欠け方)
月と太陽の出と入りの時刻のデータ表読み取り
1月と7月の月の軌道の違い
惑星・星座の季節による軌道の違い
皆既月食中の月の見え方とその理由(と、観天望気)
惑星の公転(惑星逆行の理由)
惑星の公転(惑星の見える時刻・方向と満ち欠け)
惑星の公転(公転周期から衝になる日数の計算)
など、まだまだ想定はたくさん有りますが、見るだけでクラクラして来ませんか? 難関校の受験生はこんな高度な問題まで解ける必要があります。
でもご安心ください。 ある程度まで基礎を学んだ生徒なら、以上を学習するための時間は4時間で可能です。
1時間目:しじまか表と南の空に見える太陽と月の位置関係。
komazawajuku.hatenablog.comこれにより日食と月食の欠け方の問題を解けるようになります。
2時間目:透明半球の書き方。
komazawajuku.hatenablog.comこれにより東西南北それぞれの方向での星の動きと、棒の影の動きを解けるようになります。
3時間目:太陽・地球・月の三球儀の書き方。
4時間目:太陽と惑星の太陽系儀の書き方。
komazawajuku.hatenablog.comこれにより季節による影響と極地・赤道上・南半球での透明半球の問題を解けるようになります。
また、同じ方法の作図(上の記事の後半)で、惑星の見える時刻と方向、その満ち欠けの見え方なども解けるようになります。
天体の問題は必須の暗記項目をしっかり覚えるのは当然として、受験する学校のレベルに応じて複雑な立体関係を把握できるかどうかで得点力が左右されます。 やみくもに丸覚えするのでなく体系的に学ぶことが有効です。 今回の勉強の順番について、お気づきですか?
1時間目では南の空(いわば平面)を考えて、太陽と月の位置関係を学びます。
2時間目では透明半球という立体に拡げて、北極星を軸とした回転移動を学びます。
ここまでが、いわば「天動説」の観点からの星の動きです。
3時間目・4時間目では太陽系を宇宙人の目から見た立体の動き、つまり「地動説」の観点からの学習です。