日食が左右どちらから欠けるか、日食の欠け方と月食の欠け方の違いがさっと説明できますか?
中堅校以上なら、中学入試の理科で普通に出題されます。
今日は、地表から見た太陽と月の動きを理解することで、両者の欠け方を学びます。
まず、過去の記事の見直しから。
2018-05-21:攻玉社2013年の理科:月の動きを完璧に
この記事では「皆既日食になりかけの太陽の形」を題材にして、3つの知識を順番に覚えて行くものでした。
1:月の出は、毎日遅くなって行く
2:<しじまか表>を仕組みで書く
3:<月の形の作図>
そこで取り上げた解法テクニックについて、おさらいをしてみましょう。
<しじまか表>
以前、最上位クラスの生徒が演習をしているところを肩越しに見ていたら、この<しじまか表>を問題の余白に10秒くらいで書いて、それから解いていました。
もちろん、この表に書かれている数字は完璧に覚えている子です。
そんな生徒がわざわざ表を書いて、それを視野に入れながら問題を解いている様子を見て、ケアレスミスをめったにしない理由の一つを感じました。
さて、前回の記事での<月の形の作図>から、新月、三日月、上弦の月の、お昼の12時の位置をひとつの図にまとめてみました。
このように、太陽を基準に考えると月の位置はじわじわと西から東(左から右)に動いています。
お月様の満ち欠けの周期はおよそ30日ですから、新月の日から30日かけてお月様は空をひとまわりして再び太陽と同じ場所に戻って来るわけです。
そこから計算すると、月の位置の移動は一日に12度、つまり一時間に0.5度動きます。
前回の攻玉社の過去問では、日の出からしばらくして起きた日食が題材でした。
それを図にすると、こうなります。
図にしたら一目瞭然ですね。
太陽は右上から欠けて行きます。
次は月食。
月食が起きるのは満月の時です。
満月の時には、太陽・地球・月の順番に並んでいます。
宇宙空間に、すーっと伸びている地球の影に月が入るのが月食です。
つまり、こういうこと。
日食と違い、月食は東側(左側)から欠けて行きます。
地球の直径は月の4倍ありますから、ほぼ同じ直径の円に浸食されていく日食と違って、月食ではもっと大きな影に齧られて行きます。
(ただし、月の直径と影の直径の比は4ではありません、それを考えさせる入試問題も有りました。 その話はいずれ、また。)
という訳で、星の動きに関する掘り下げのひとつとして日食と月食の話を書きました。
月食に関しては、こんな記事も有ります。