天体の動きに関する問題は苦手な生徒が多い単元です。 努力と根性で山のような数の演習をこなして来た、でも解けない、分からない、複雑すぎて嫌い、という生徒を見ると猛然とファイトが沸いて来ます。 という訳で<地学><天体>の単元からまずは<透明半球>の話です。
<天体>に関する解法としては<透明半球><しじまか表><南の空の太陽と月の図><三球儀>などがあります。 まずは<透明半球>の問題を解説します。 女子学院2002年(平成14年)の理科から大問1の2番の問題です。
【問題】
太陽について、次の問いに答えなさい。
季節によって太陽の通り道が変わっていく。 東京での冬至と、その日のニュージーランドでの太陽の動きはどのようになるか。 それぞれア~コから選びなさい。
【解説】
<透明半球>の問題を解けるようになる一番の近道は「自分で図を書けるようになる」ことです。 という訳で、透明半球の書き方手順です。
手順1:まず楕円を書きます。 縦と横の比は1:2くらい。
手順2:長い方の半径と同じくらいの高さに点を打ちます。
手順3:天頂を通る半円を書きます。 東西南北の線を地表に書きます。
<注:南北の線は水平に、東西の線はわずかに右に傾けると後の作図が楽になります。>
手順4:観測地点の緯度と同じ角度(高度)で北極星を書きます。
手順5:北極星を通る天球の回転軸と直角になる南の半球上に点を打ちます。
手順6:その点と真東と真西を結ぶ曲線を引きます。(春分、秋分の日の太陽の通り道)
手順7:23.4度を引き算して、冬至の日の南中高度を計算します。
手順8:冬至の日の太陽の通り道を春分の日の通り道の「平行移動」で書きます。
手順9:同様の手順で夏至の日の太陽の通り道を書きます。
この図が自分で書ければ冬至の日に東京の動きをしめす図はあきらかですね。
すこし南寄りの東から出て、すこし南寄りの西にしずむ図です、 東京 : オ
ニュージーランドに関しては、仕組みとして理解して覚えるには<三球儀>を書けるようになっておきたいのですが、とりあえず知識だけでも正解を選ぶことは可能です。
☆南半球では季節が逆になる。 したがってニュージーランドは夏至である。
☆南半球では<南中高度>ではなくて<北中高度>になる。
☆南半球でも北半球と同様に太陽は東から昇り、西に沈む。
以上のことから図を選べば ニュージーランド : ケ
今日を含めて3回で<天体>の動きに関する解法テクニックを書きます。