旅人算のひとつ、歩数と歩幅の問題は苦手とする生徒が多いです。
この問題を解けるようにするポイントは、「速さの本質」と「歩数には2種類あること」の理解です。
例題として 2010年の立教池袋の大問4 を説明しました。
【問題】
お父さんが5歩で進むきょりをまなぶ君は8歩で進み、
1分間にお父さんが20歩、まなぶ君は24歩進みます。
2人が同じ地点から同じ方向に同時に出発したところ、
25分後に2人は102m離れていました。
次の問いに答えなさい。
1)お父さんとまなぶ君の速さの比をもっとも簡単な整数で表しなさい。
2)まなぶ君の1歩の蝿は何cmですか。
【解説】
冒頭に書いたように「歩数と歩幅の問題」を解くポイントは、「速さの本質」と「歩数には2種類あること」の理解です。
その視点から、この問題を見てみましょう。
まずは「2種類の歩数」
距離あたりの歩数:
お父さんが5歩で進むきょりをまなぶ君は8歩で進み
この歩数の逆比は? ・・・ お父さんとまなぶ君の歩幅の比です
つぎに「速さの本質」
「速さ」とは「単位時間あたりに進む距離」です。
今回の例題で言えば、速さ = 歩幅 × 時間あたりの歩数 ですね。
時間あたりの歩数:
1分間にお父さんが20歩、まなぶ君は24歩進みます
よって
160 : 120 = 4 : 3
(2)を解くコツは、二つあります。
その1: (1)で得た数字を使うことを考える
その2: まだ使っていない情報が残ってないか考える
(1)で得た数字は、お父さんとまなぶ君の速さの比の 4 : 3 です。
まだ使っていない情報は、問題後半の2行です。
2人が同じ地点から同じ方向に同時に出発したところ、
25分後に2人は102m離れていました。
ここから<速さの差集め算>だと気付けると、解答へのルートが見えます。
まず(1)で求めた速さの比からきょりの比を計算します。
ここで得られたきょりの比の差 100 ー 75 = 25が102mに相当します。
上の説明で書いた「ここから<速さの差集め算>だと気付けると」に補足。
これへの対策は「解法の引き出し」を作る事だと考えます。
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