駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

年令算の分類は?

年令算は「割合と比」なのか「和と差」なのか? 結論としては、どちらでもない、って言うかどちらにも入るのですが、実はこれ、大きな問題を含んでいると私は感じています。 

 

気のせいか、どっかから「こまけーこたぁ、いーんだよ!」という声が聞こえて来るような気がしますが、無視して書き進めます。 と言うのも、この分類のあいまいさが、生徒が苦手に思ったり、対策が的外れになる原因になっている可能性も有ると考えるからです。 

 

年令算は、声の教育社の過去問集では「和と差」に分類されています。 (ちなみに、昔は「特殊算」の列の中に名前が並んでいました。)  

一方、四谷大塚の四科のまとめでは「割合と比」です。 塾技100では「比」の中に分類されています。 そしてSapixの「昨年の」教材で見ると、2019年の小6教材の場合、新学期早々の「61-04 割合(2)」にも、夏期講習の「N61-02 和と差の問題 サマーアプローチ」にも年令算の名前が見られます。 

(ちなみにSapixのカリキュラムは改訂が入っていますので今年の構成では変わるかも)

 

結論から言いますと、年令算は導入の授業では「和と差」であり、応用題のほとんどは「割合と比」です。

【和と差の例題】

花子さんとお母さんの年令の和は37、花子さんは現在10歳です。 お母さんは何歳の時に花子さんを生んだでしょう。

【割合と比の例題】

花子さんのお父さんは現在39歳、花子さんとお母さんの年令の和は37、花子さんは現在10歳です。 花子さんとお母さんの年令の合計がお父さんの年令の2倍になるのは何年後ですか。

 

年令算が苦手という生徒に対応をする場合、多くの場合は「割合と比」の線分図の見直しをさせて、大原則 『 全ての人に平等に年令は訪れる 』を線分図上に表現できるようになれば、解けるようになります。

komazawajuku.hatenablog.com

しかし、それでも解けるようにならない場合は、和差算の解き方まで戻って見直しをさせて下さい。 特に三者以上の登場する和差算の線分図は、問題を読みながら書き進めていけるレベルまで練習させておきたいです。

 

一番大きい人に合わせて各自の差を足し算で埋めてから、合計を人数で割れば一番大きい人の値、という和差算の解き方で引っかかっている生徒が居ました。 受験勉強のスタートが遅かった生徒は抜けている可能性が有り、要注意です。

 

【和差算の例題の答え】   17歳  

 

【割合と比の例題の答え】   2年後  

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