駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

偏差値について:1

中学受験の塾は2月が新学期のスタートですから3週目に入ったところですね。 新小4、新小5で新しく始めた生徒も、新小6でいよいよ受験学年に突入した生徒も「偏差値」という数字に一喜一憂することになります。 今日はその偏差値について、具体的な数字を挙げながら書きます。

 

偏差値について下記の記事の中でふれました。 そこに書いた要点はふたつです。

その1:偏差値というのは「ある集団」の中での相対的な位置にすぎないので、元になる集団が違えば偏差値の数字はまるで異なってくる。

その2:偏差値は簡単に上下する。 しかし無視するのは間違いだし、大きな流れとしての上がり下がりは重要な情報である。( これを「たかが偏差値、されど偏差値」と称します。)

 

komazawajuku.hatenablog.com

 

【偏差値とは特定の母集団の中での相対的な位置である】

問題:

ある人が家庭教師募集のサイトに以下のような登録をしたが、子供の実力を知るためにはいくつかの情報が不足している。不足している情報は何か。

『家庭教師を募集します。 子の偏差値は54で、〇〇中を希望しています。』

 

解答:

どの模試の、いつの回の偏差値なのか書いてありません。

また一回だけの値なのか、何回かの平均値なのかも情報として不足しています。

 

解説:

通っている塾での相談なら、どの模試の何の偏差値なのか暗黙の了解でわかるでしょうけれど、この発言は家庭教師の新規募集です。 偏差値の54というのが何なのかによって、まるで話が変わって来ます。

上に挙げた『叱ると褒める』の中で事例として取り上げた洗足学園の80%偏差値を使って、模試の種類によってその後の対応がどのように変わるか、具体的に説明します。

 

たとえばSapix偏差値で54の子が洗足学園を希望しているのなら、合格を確実にするためのプログラムを組むレベルで良いことになりますが、入試まで時間があるならむしろ志望校レベルの見直しが必要かも。 (あくまで受験戦略としての「見直し」です。 洗足学園Sapix偏差値54の子が第一志望とし得る学校です。)

四谷大塚の80%偏差値や日能研のR4で54だったら入試本番までに偏差値を10近く上げる必要があるわけです。 綿密なプランと本人の相当な頑張りが必要になります。 (こういう子の指導の機会があると、燃えます。)

首都圏模試で54だったらギャップが20あるわけです。 すぐさま各教科における失点の原因を分析して、残りの期間内に対策か可能かどうかの判断が必要になります。 

どうでしょう、同じ54という偏差値でもまるで受験までの対応が変わって来ますね。 

事例の募集の文面ではその偏差値を得たのがいつか、という情報も欠落していますし、バラツキの幅も気になるところです。 

 

誤解して頂きたくないのは、受験する模試によって合否の可能性が変わることは無いということです。 受験する模試によって変わるのは「合否判定の精度」です。 

 

どの模試を受けるか選ぶときに考えるべきなのは、それぞれの模試がターゲット・ゾーンにしているのはどのレベルの受験生かということです。 そこが人数として多いことから判定の精度も良くなりますし、問題の難易度も適切になります。 やや乱暴に言えば、偏差値として40から60の範囲に入るような模試を受けるのが宜しいかと思います。

 

下のグラフは四谷大塚と首都圏模試の80%偏差値をプロットしたものです。 元になるデータが部分的(2月1日午前の女子のみ)なので全体の傾向を示すものでは有りませんが、ほぼ直線上にのっているのは判ると思います。 

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首都圏模試の偏差値40以下にプロットが無いのは、元データの数が少なくて対応する四谷大塚の偏差値が無かったためです。 2月1日午前の女子以外のデータも調べればプロットも増えると思いますが、受験相談で作ったグラフの再利用ですのでご勘弁を願います。

また、元データの数を増やすとプロットの左端、四谷大塚の偏差値で35の場所に縦の明確なラインが現れるはずです。 これは四谷大塚の学校×受験回ごとの偏差値が35までしか表示されない、要は35以下の値はまとめて35として表示されるため、です。 

 

いずれにせよ、偏差値の低い側でプロットの幅が広がっています。 四谷大塚の模試ではそのゾーンの受験生の人数が少ないことが理由のひとつです。 四谷大塚の模試で偏差値が50以下、特に35から40前後の生徒は首都圏模試を受けることを勧めます。

 

 

長くなってしまったので、【たかが偏差値、されど偏差値】の話は稿を分けます。

 

 

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