4月10日の四谷大塚・合不合判定テストの評価で、志望校に軒並み20%の判定がついた場合の対応についての記事です。
叱らない、必要な情報を得る、具体的な目標設定に利用する、これらについて書きました。
合不合判定テストでは20%以下の場合、すべて20%と表示されます。
つまり20%という判定には19%も含まれますし、ずっと低い数値の場合も含まれます。 それこそ実際には3%であっても、表示上は20%です。
そんな結果を見たらショックを受けるのは当然です。
ここはひとつ深呼吸をして、得られた結果を最大限に活かす対応をして頂きたいと考えます。
1:成績を理由に叱らない
今回の合判で合格率20%が並んだ原因は、本人が点を取れなかったからではありません。
大人が作戦ミスをしたから、です。
結果にショックを受けて感情的に叱っても、何一つ良くはなりません。
ほぼ確実にマイナス方向に影響が出ます。
では何をすれば良いか、この記事で書きました。
2:必要な情報を引き出す
何年か前まで、このテストの名称は「合不合判定予備テスト」でした。
本当の「合不合判定テスト」は9月からの4回分で、一学期の4月と7月は練習の位置付けだった訳です。
そもそも一学期の段階で志望校を確定できているご家庭は、ほぼ有りません。
学校別の志望者数が固まっていない状況で、合格率の数値の信頼性は低いです。
一学期の合判で信頼できる数値は「本人の偏差値」です。
その偏差値を使って、四谷大塚の偏差値表に線を引いてみましょう。
たとえば、こんな感じで。
本人の偏差値をピンクの線で引き、そこから偏差値で5つ上と5つ下に水色の線を引きます。(今の時点では10上の緑色の線は使いません)
ピンク色の線上にある学校がほぼ80%合格率が出る校名で、5つ上の水色の線上がほぼ50%が出る校名です。
これで現時点での立ち位置が、具体的な校名という物差しで可視化されました。
このチャートに関する詳しい使い方は、これを参照願います。
3:目標を具体化する
子どもへの指示は、具体的かつ結果が目に見えることが望ましいです。
偏差値表に線を引いたら、偏差値で5つ、または10高い線上に並んだ校名をいっしょに読み上げてみましょう。
自分の偏差値が5つ上げられれば、5つ上の学校は十分な射程圏内に、10上の学校でもチャレンジ圏内に入って来るのだと、可視化された情報として見せてあげましょう。
偏差値で5つ上げるというのは、合判の算数を例にとれば、丸の個数を3個増やせられば十分に達成されます。
算数の答案を見直して、失点した問題を正答率の順番に3個マークし、
「この3個で得点していれば偏差値は5つ上がって、そしたら・・・」
と話すことでモチベーションが上がると思います。
実際には、まわりの生徒も勉強を続けていますから、本人がその3個を解けるようになった頃には他の生徒にも解ける者は増えている訳で、その中で人よりも一歩先に行けるように頑張らなければ偏差値は上がらないのですが、モチベーションを上げるためにちょっとした詭弁は使っても良いと考えます。