駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

「今」の時期のモチベーション造り

算数と理科について、大幅に短縮されそうな夏休みをフォローするための対応を書いて来ましたが、教材の工夫よりもたいせつなのは、生徒本人のモチベーション形成です。 

 

天王山が「今」になったこと、「今」使える算数の参考書、理科で「今」できること、と書いて来た記事は、今回のモチベーション造りの話で一連のシリーズとするつもりで準備していました。 昨日の緊急事態宣言を受けた模試の中止や自宅実施への変更を受けて、大幅に加筆訂正しました。

 

 

夏期が受験の天王山になる理由は、400時間というまとまった学習時間を確保できることだけではなく、生徒本人のモチベーションが(ようやく)上がって来る時期でもあるからです。

それに大きな役割を果たすひとつが、具体的な学校名に対しての合否判定です。 小5までのテストでも合否判定が示されるものは有りますが、受験学年に入ってからの模試は気持ちに及ぼす影響力が大きく異なります。

 

その重要な合否判定でやらかしがちなのが「目的を見失った志望校設定」です。

たとえば四谷大塚の偏差値で55の生徒がこんなリストで設定したら(学校名の後ろのカッコの中は80%偏差値・2019年度確定値)

2月1日午前 早稲田中学(64)

2月1日午後 広尾学園(62)

2月2日午前 渋谷教育渋谷(67)

2月3日午前 早稲田中学(66)

2月4日午前 芝中学(65)

広尾だけ30%が出るかも知れませんが、ほぼ全部の学校に「20%」が並ぶでしょうね。 せっかくの模試を活かせない目的を見失った無駄なリストだと思います。

 

4月の模試で書いて欲しい学校名リストについての記事を参照願います。

komazawajuku.hatenablog.com

 

ところが、

受験の天王山が「今」になった本年度は、模試を受験する目的が上の「自分の位置を知る」ということに加えて一つ増えました。 それは受験への実感をすこしでも持たせるために「不合格を疑似体験させる」ということです。

 

子供は、子供です。 どれほど口では判ったようなことを言っていても、大人と比べれば「失敗の体験」や「後悔した体験」が格段に少なく、入学試験に落ちる怖さが判っていません。

 

その意味で、本年度に限っては上に書いたような「全滅リスト」で判定を出すのもアリだと思います。 あえて「おさえ校」を設定せず、「今のままでは、あこがれの学校のどこにも受からない」という現実を具体的な校名で示すわけです。 その意味で自宅で受験、郵送して判定であっても、保護者の監視下でガチで答案を作らせて欲しいです。

 

ただし「駄目だぁ」で終わらすのではなく、「頑張れば、届くかもしれない」という事も必ず見せてやってください。 

ひとつは上の記事に書いた、偏差値を5上げるためには何をすれば良いのか、という具体化です。 偏差値を5上げなさい、ではなく、算数ならマルを二つ増やすにはどの問題が解けるようになれば良いか、と具体的に目標を示すことです。

もうひとつは80%偏差値表で本人の偏差値に線を引き、志望校名にマークして格差を見せた後に、50%偏差値表に同じ事をして「あと一歩感」を見せてやることです。 データとして言っていることは同じなのですが、この2枚のシートは受ける感触が大きく異なります。 いったん気持ちを下げて、それから上げてやる訳です。

 

学習塾が授業自粛になり、自宅での学習が重要になっています。 

【 学力 】 = 【 学習量 】 × 【 効率 】

今日はそのうちの効率を少しでも上げるためにモチベーションを造るための工夫をひとつ書きました。 もうひとつの学習量の確保、これに関する親子のバトルがどのご家庭でも勃発しているはずで、それについては追って書きたいと思っています。

 

 

それにつけても、

休業を要請される業種のリストで、最初に「大学」が来るのは卒業旅行に行った馬鹿者や打ち上げパーティーをやらかした医学生などが居ましたので納得ですが、「学習塾」が二番目に並んでいるのは何故でしょう? よっぽど腹に据えかねる塾が有ったのかなぁ?

 

このブログはリンクフリーです
リンク(はてな用語で「言及」)に事前連絡は不要です
出典を示して頂けるならコピーペーストも自由にどうぞ。
って言うかリンクやツイートでgoogleの表示順が上がるので大歓迎