予習シリーズが大幅に難化しています。
どこまで覚えさせれば良いのか困っている保護者様も多いと思います。
今日は小5上巻第18回『地球』を使って、絶対必須の知識を抽出してみました。
抽出のポイントは「宿題から逆算する」です。
四谷大塚の予習シリーズは、一昨年の4年生用から全面的な改訂が進行しています。
今年度の6年生用で改訂が完了するわけですが、内容の難化に悲鳴が聞こえています。
たとえば、この記事。
All About 2023-06-23
中学受験大手塾に通うボリュゾ5年。難化した『予習シリーズ』に挫折寸前、転塾か撤退検討中です
ボリュゾという省略が気持ち悪いですが「数的多数派の中堅学力層」のことです。
★首都圏の小学6年生の五人に一人が中学を受験し、今も上昇傾向。
★倍率がアップし、だから(?)、入試問題が難化している。
★予習シリーズ以外に栄光ゼミナールの中学受験新演習も難化している。
★対策は、指導が上手で面倒見の良い学習塾をさがすこと。
いろいろとツッコミどころの多い記事でした。
一番のツッコミどころは、対応策が「良い塾を探せ」とだけ書かれていること。
これ、正論ではありますが、方法を間違えると取り返しのつかないミスになります。
参考記事 2020-02-20 学習塾でのドクターショッピング
また、四谷大塚や栄光ゼミナールのテキストが難化した原因も、受験者数の増加では無いと思います。
私が原因と考えるのは・・・
※ Sapixにばかり集まる生徒を奪いたい
※ なぜSapixに集まるかと言うと、御三家・難関校の合格者数が多いから
※ なぜ御三家・難関校に受験生が集まるかと言うと東大合格者数が多いから
このあたりの事は長くなるので、あらためて記事にします。
各学習塾のテキストが難化した原因は、御三家・難関校の合格者数を増やしたいから。
そして受験テキストは、入試問題に出た知識が載っていなければ保護者様がすぐに気付きますが、難しすぎた場合には誰も文句を言いません。
学習塾のテキストは、本質的に難しすぎる方向へ変化します。
圧倒的多数派の中堅学力層は、どうすれば良いのでしょう?
私の考える対応策は、てもシンプルです。
出された宿題で尋ねられている項目が、絶対必須の知識です。
これ、あたりまえですよね?
テキストは本質的に詳しすぎて難しすぎる方向へ変化します。
でも宿題は、その生徒の学力レベルに応じた範囲が指定されます。
ならば、それこそが「ここだけは絶対に覚えろ」という対象な訳です。
四谷大塚のテキストを例にすれば、こんなイメージです。
偏差値50未満の生徒:
「要点チェック」「まとめてみよう!」「基本問題」をきっちり覚えて、「練習問題」をできる範囲で。
偏差値60超えを目指す生徒:
「練習問題」までをきっちり覚えて、「発展問題」をできる範囲で。
小5上巻第18回『地球』を使って、地球の歴史という見開きの2ページに下線を引いてみました。
下線を引いたのは「要点チェック」「まとめてみよう!」「基本問題」「練習問題」で尋ねられている知識です。
練習問題までで尋ねられている知識は、たったこれだけです。
下線が何本も引かれている知識は何度も尋ねられている訳ですから、特に重要です。
これをしっかり覚えれば、次の組分けテストで偏差値50は着実に超えられるはずです。
同様の作業をこの単元全体にしてみましたので、絶対必須の知識を列挙します。
①地球のようす
太陽系での並び順
球形である証拠(船の見え方、月食の影の形)
地球・月・太陽の直径と相互の倍率の値
経度と距離から1周の距離を計算する方法
自転は西から東、北から見て反時計回り
公転も北から見て反時計回り
大気圏 大気、ちっ素、約10Km、有害な放射線や紫外線をさえぎる
水圏 海はおよそ70%、気温の変化をゆるやかに、平均深さ3800m
②地球の歴史
約46億年前 最初の大気は水蒸気
古生代 サンヨウチュウ、フズリナ、酸素、オゾン層、紫外線、約4億年前に生物が地上に進出
新生代 マンモス
人類の出現 ホモ・サピエンス
③地球上の位置
南北を緯度、東西を経度 北極、北回帰線、赤道
緯度 南中高度や昼夜の長さ、赤道は緯度0度、北極は北緯90度、南極は南緯90度
経度 東経と西経、経度は0度から180度
地球上の地点での方位(図の理解)
各地点の時刻と太陽の方位(図の理解)
1時間に15度
時差の計算 東経105度、経度0度、西経150度の南中時刻の計算
日付変更線 時差と日付の計算
以上です。
予習シリーズのページに下線を引いてみると「覚えなければいけないのは、ほんの一部」だと実感できると思います。