駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

算数の見直しに使える教材

小学校が休校や隔日授業などで時間的な余裕のできた期間に、全般的な弱点の見直しに使えそうな教材をまとめてみました。

 

算数に関して、ヒマを見つけてはコツコツと「単元の一覧表」を作っています。 目的としては中学受験の算数について全体を見渡せるマップを「単元の一覧表」というかたちで持ちたいからです。

(この話については、いずれ「分類学から見た受験算数の解法」という切り口で記事にしたいと思っています。) 

 その一覧表つくりの中から、これはと感じた参考書を何冊か、全般的な弱点の見直しに使うという視点で以下に紹介します。 

 

【市販の参考書なら】

『中学入試 塾技100 算数』 文英堂

中学受験に必用な算数の単元がコンパクトに網羅されています。 

ただし、この本は基本的に「解法の辞書」のような使い方を想定しています。 左側のページに説明、右側のページに問題というレイアウトで、右側ページの上半分は解き方がセットになっており、下半分が対応する入試問題の例題という構成になっています。

そのため弱点の把握を目的として使おうとすると、問題のすぐ下に解説が有るという構成が邪魔になり、問題部分をコピーして切り貼りするなど、テストに加工するという手間が必要になります。

この本の構成と合わせて、後で紹介する早稲田アカデミーのバックアップテキストのような「難度順に10問ずつ並べた問題集」が有ると嬉しいのですが・・・

 

四谷大塚系列の塾生の場合】

『四科のまとめ 算数』 四谷大塚出版

四谷大塚のWebサイトから購入できます。

こちらも見開き2ページで、左側のページは説明、右側のページに問題というレイアウトですが、右側には問題だけが並んでいますし、解答用紙も別についていますので確認用途に使いやすいです。 

ただし、単元の数が上の本の半分の50ということから、一つ一つの単元の解説は少し「粗い」と感じます。 この本で弱点を見つけて左側ページの説明で不足だった場合は、予習シリーズに戻って詳細な解説と例題を確認するという使い方を想定しているのでしょう。 密度が粗いことはデメリットだけではなく、取り組むときの負担の軽さ、とっつき易さを生んでいます。

 

早稲田アカデミー生の場合】

バックアップテキストを仕上げて行きましょう。

(外部には販売していない教材です。)

63個の単元ごとに10問の問題で構成されていて、説明のページは有りません。 大部分の単元は1番から10番に向けて難度が高くなるようになっているので、演習をすることで自分が各単元に対してどのようなレベルに居るのかが確認できます。 また、塾には数字替えした確認テストも準備されていますので多段階の確認が可能です。

ただし、「計算の工夫」「日暦算」などの単元が抜けていることや、問題の並びが難度順になっていないページがあることなどに注意が必要です。

 

Sapix生の場合】

Sapixは基本的に授業ごとに仕上げて行く塾ですから、全体を見直すための教材というものは見当たりません。 単元の名称をタイトルにした小冊子は有りますが、全体を見直す用途には使えません。

この用途で市販の教材としては、この本が興味を引きます。 

『難関中合格シリーズ 学校別対策 女子学院中合格への250題』富士教育出版社

グノーブルが出している参考書ですのでSapixと解き方の方向性が近いと期待されますし、詳しい解説(問題編と解答編の冊子のページ数が同じ)が付いて来ます。 女子学院の算数は、基本的な問題を短時間で正確に解いていくことを要求する入試ですし、収録問題数も学校別対策シリーズ最多の250題です。

ただし女子学院とはいえ、それぞれの問題にはなにかしらの「ひねり」が入っているので、基本的な解法レベルでの弱点把握には使えません。 また、分類も10の区分に分けているだけで「△△算」といった細かい分類はされていません。

今の時期に使うとすると、アルファかそれに準ずる上位の生徒が解いてみて、弱点が見つかったら塾技100などで補強する、そういう使い方が想定されます。

この学校別対策シリーズでは慶應中等部の巻もあり、普通部でなく中等部、問題数も249題と多いということで期待したのですが、書評を見てみたら単元別でなく単純な年度別らしいので今回の目的には推奨できませんでした。

 

 

 

 

私が見てきた参考書類で、この時期の弱点確認に使えそうなのは以上です。 

ご参考になればうれしいです。

 

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