『日本一わかりやすい歴史の授業』という参考書があります。
何年か前に社会の先生に薦められて、機会があったら読もうと思っていました。
先日、古本屋を歩いていたら見かけたので入手しました。
この本、なかなか良いです。
本の全体の構成は、『さかのぼり』です。
現代から過去に向かって主要な出来事と関係者、それがなぜ起こったかという因果関係をたどって行きます。
中学生用の参考書ですが、中学入試の準備にも使えます。
と言っても、この一冊で日本史の学習が済ませられる訳ではありません。
お薦めしたい使い方は、この本で歴史知識の「軸」を作ることです。
歴史の勉強方法に対して、たくさんの工夫やコツがあります。
【語呂合わせ】
「いいはこ作ろう鎌倉幕府」などですね。
誰もが通った道?
【年号を世紀で覚える】
○○世紀の△△年という方式で記憶のボックスを作る方法です。
天保の改革は19世紀の41年(1841年)つまり真珠湾のちょうど100年前、とか。
【幹を作り樹形図にする】
ドラゴン桜では「メモリーツリー」という名前で、この方法を使っていました。
樹形図のように知識を関連付けることで覚える方法です。
情報整理術としては新QC7つ道具の連関図法とか、KJ法の書式に近いですね。
【趣味を軸にする】
何か特に好きな物を軸にして、それに関連付けて知識を増やして行く方法です。
上の樹形図と異なるのは、学び始めるスタートを試験に出る事柄に選ぶのではなく、好きか嫌いかで決めてしまうこと。
その意味では受験生向けというよりは、大人になってから歴史を学びなおす時に有効な学び方だと言えるかも知れません。
1970年代のはじめに、NHKで『天下御免』というドラマがありました。
視聴率30%という人気番組で、私も見ていました。
江戸の、田沼意次の時代が舞台です。
主人公は山口崇さん演じる平賀源内。
50年前の放送で録画も残っていませんから記憶はあいまいですが、とにかく破天荒で面白かったことを覚えています。
江戸を舞台にした時代劇なのに扱うテーマは現代の問題でしたし、美濃部都知事が登場したり、新幹線が登場したり・・・
田沼意次の失脚によって自由闊達な文化は失われ、平賀源内も弾圧されます。
史実では平賀源内は獄死するのですが、このドラマでは国外に逃亡します。
その行き先が、革命の勃発するフランス。
このエピソードで、私の中で歴史の年代知識につながりが出来ました。
こんな感じで・・・
田沼意次の権勢 1751-1789
フランス革命 1789-1795
メートルの制定 1799
ナポレオンの皇帝即位 1804
交響曲第3番 1804
メートル法とナポレオンについては、この記事で書きました。
ナポレオンとベートベンの交響曲3番「英雄」の関係は知っている人も多いでしょう。
ベートーベンって江戸時代後期から末期頃の人だったわけです。
ここに列挙した記憶法の共通点は、
無味乾燥な年号や出来事をまる覚えするのではなく、
意識的に情報量を増やすことで意味を持たせ、
出来事どうしの関連性や因果関係で覚えて行くという事です。
つまり情報の冗長化、この記事で書いたことです。