約数の個数が指定されて、該当する整数を考えるる問題のシリーズ最終回です。 整数の個数が何個の場合でも素因数分解の式を導き出せる方法を解説します。
シリーズ第1回:絶対必須である「約数が4個までの数」の知識
シリーズ第2回:約数が6個の問題(慶應義塾中等部2019年)を解説
シリーズ第2回の記事では、約数の個数が10個の場合まで素因数分解の式のパターンを列挙しました。
2個: a
3個: a × a
4個: a × a × a または a × b
5個: a × a × a × a
6個: a × a × a × a × a または a × b × b
7個: a × a × a × a × a × a
8個: a × a × a × a × a × a × a または a × b × b × b または a × b × c
9個: a × a × a × a × a × a × a × a または a × a × b × b
10個: a × a × a × a × a × a × a × a × a または a × b × b × b × b
今日は仕組みを理解してパターンを組み上げる方法を説明します。
仕組みが理解できれば、約数の個数が何個になろうと対応できます。
ポイントになるのは、シリーズ第2回の記事で最後に書いたように【約数の個数を求める式】です。
【約数の個数を求める式】
1125の約数の個数を考えるという例題を使って説明します。
手順を箇条書きにすると、こうなります。
1:素因数分解する
2:同じ素数の組で、個数を数える
3:それぞれの個数に1を足して、積を求めるとそれが約数の個数
それではこの手順を逆向きに使って、約数が8個になる整数の素因数分解の式のパターンを組み上げてみましょう。
組み上げ手順を箇条書きにすると、こうなります。
1:指定された約数の個数を、2以上の整数の積の式にする
2:整数の式を全てのパターンについて書きだす
3:それぞれから1を減じた個数の分、a×b×c・・・を並べる
簡単ですね。
ちなみに、
【約数の個数を求める式】については、2018-12-24に<場合の数>と関連付けた記事を書きました。
この記事の前半では何枚かの硬貨を使って金額を作る問題を解説しています。
そして後半で、素因数分解から約数の個数を求める問題を<えらび方>で結びつけました。