必須の気体に関する記事の続きです。
気体を作る方法や、関連する知識についてポイントをまとめました。
昨日の記事
実験室で気体を作る時に使う器具には何種類かありますが、基本となるのは三角フラスコとコック付きロートの組み合わせです。
頻出の出題は、2本のガラス管の長さです。
コック付きロートは、長い。・・・投入する液体がはねないように。
気体を取り出すガラス管は、短い。・・・長いと液体が出て来てしまう。
作った気体の集め方は、水上置換法、上方置換法、下方置換法の3種類。
気体の性質が覚えられていれば、どの方法が適切かは明確です。
集め方を苦手とする生徒は、ほとんど居ませんでした。
気体ではレベルに応じて、このような出題パターンがあります。
・気体の性質に関する基本的な質問
・気体の名称を、性質から判定する
・気体の作り方に関する計算問題
計算問題を苦手とする生徒がとても多いです。
気体の計算問題は、「触媒」を使う酸素の生成と、「化学反応」による二酸化炭素や水素の生成の2種類があります。
「化学反応」によるものには、<えこガあまり表>という方法を提案しました。
<えこガあまり表>を使った解き方は、この記事で書きました。
<えこガあまり表>を使う出題で、難度を上げるパターンは2つ有ります。
・過不足の無い組み合わせ(ぴったりポイント)を表やグラフに入れない
・水溶液の濃度を計算に織り込む
「触媒(しょくばい)」の登場する酸素の作り方は、まだ書いていません。
あらためて解説記事を書く予定です。
さて、前回の記事の一覧表を見ると気体の作り方は他にもあります。
これらについて計算問題として出されることは少ないです。
ですから、関連知識で興味を持たせてしっかり覚えさせればOKです。
「加熱分解」
重ソウ(炭酸水素ナトリウム)の加熱分解による二酸化炭素の生成です。
重ソウはベーキングパウダーに含まれていて、加熱すると炭酸ガスが発生します。
ホットケーキミックスやカルメ焼きの話をすると食いつきが良いです。
「溶解度」
アンモニアはアンモニア水、塩化水素は薄い塩酸を弱い火で加熱して生成します。
この説明の時に再確認させたいのは「水の沸騰実験」です。
「水を加熱して行くと2回、泡が出る。 2回目の泡は100度になった時の沸騰の水蒸気。 では、1回目の小さな泡は?」という質問から入ります。
答えは「水に溶けていた空気が追い出されてできた泡」です。
アンモニアや塩化水素の生成もそれと同じと言うと、すんなり判るようです。
同時に「ふっとう石」のはたらきにも触れておきたいです。
安全にかかわる知識は頻出です。
トロッとしたシチューの突沸(とっぷつ)を防ぐためのグッズが100均でも売られているよねという話をすると、家事を手伝っている生徒はうなずいて来ます。
「燃焼」
各塾のカリキュラム改訂で、二酸化硫黄の扱いが増えました。
硫黄の燃焼実験は中学の理科で扱います。
中学以降で学ぶ内容が中学入試で登場する件に関しては、いささか思うところがあるのですが、それはまた別の記事で。
気体の発生に関する計算問題では、水溶液の量と共に濃度が重要な数字です。
つまり使用した水溶液に含まれるイオンの量(個数)が重要ということです。
ところが学習指導要領では元素記号や化学式を扱うのは中学生になってからです。
その結果、中学入試や受験参考書では○とか□とか△などの記号の個数で表現されていて、かえって理解しにくい原因になっています。
これまた、いささか思うところがあるのですが、それはまた別の記事で。
気体に関連する知識は、まだまだ有りますが、
文字数が長くなって来たので、記事を分けます。