駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

四谷大塚がSapix化か?

今回は2023年度受験の現6年生には影響の無い話です。 

昨年(2021年度)の新4年生分から四谷大塚の予習シリーズが全面改訂されました。 

今年度の5年生の下巻が出たら記事を書こうと考えていたのですが、夏期講習会にも大規模な変更が入ることがわかり、とりあえず現時点での情報をメモにしてみました。 

未確認部分が多いので、タイトルが駅売りのスポーツ新聞の見出しみたいになってます。 

 

全面改定の方向性をひとことで言うと「難化」です。 

兄や姉が旧課程、弟や妹が新課程という保護者様からの悲鳴ブログが増えています。 

数年前の予習シリーズ全面改定でも学習単元の前倒しが有り、5年生下巻がひどい詰め込みになり、先生も生徒も苦労しました。 

今回は【単元の前倒し】と同時にテキストやテストの【問題の難化】が起きています。 

 

【単元の前倒し】

更なる前倒しをするために、取られた対応が「夏期講習会の必須化」です。

Smile 中学受験さんのブログにもアクセスが増えているそうで、さもありならん。 

smile2021.hatenablog.com今年の5年生の夏期講習会は、昨年までとは別物です。 

教材等に関する話はSmile 中学受験さんのブログに詳しく載っていますので、関連の記事を読むことをお勧めします。 

 

ちなみに、

Smile 中学受験さんのブログで書かれていることが私の意見と食い違っている場合も有りますが、受験とは絶対の正解などが無い世界、食い違いの原因を考えるきっかけを頂きながら楽しんで読ませて頂いております。 

役に立つ情報が満載のブログです。 お勧めです。 

 

さて、四谷大塚の話に戻ると、

夏期講習会の必須化そのものは、私としては賛成です。 

数年前の予習シリーズ全面改定の時には「クソ忙しい夏期講習会の最中に新版下巻の内容を全て精査し、どの授業回が溢れそうか想定して先取りの重みづけをする」という作業を強いられました。 

夏期の必須化で単元が移動することで、下巻の詰め込みは軽減されることを期待します。 

心配なのは6年生上巻からごっそりと学習内容の移動をされて、けっきょく下巻の詰め込みは解消されないこと。 

これ、ありそうな予感がしています。

 

 

【問題の難化】

合不合判定テストの出題レベルに関して、昨年12月と今年4月に記事にしました。 

komazawajuku.hatenablog.com

 

予習シリーズに関しても、収録される問題に難化が見られます。 

詳しい分析については、受験準備全体の流れの中で「どの時期に何を学ぶか」というバランスで考えたいので、次の新版(5年生の下巻)が出たところで考えるつもりです。 

 

しかし、ぱらぱらとめくってみただけでも、妙に難しい問題が増えていると感じます。 

 

たとえば算数で、以前なら各回の末尾に「これにもチャレンジしてみる?」という感じで枠線に囲まれていたような難問が、練習問題の中に入っていたり。 

練習問題は生徒に「全問を解けるようになれ」という指示で宿題に出すので、これは困ります。 

 

以前から予習シリーズの算数には、基本問題の最後に妙に難しい問題が収録されていたりして扱いにくかったのですが、今回の改定で酷くなりました。 

 

加えて、大規模改訂の悪影響が出ています。 

4年生の理科において、改訂の精査が副教材まで届いていないのか、演習問題集で尋ねられていることが予習シリーズに載っていなかったり・・・

 

これまで、予習シリーズは適度なボリュームでまとまりが良いのでSapixの生徒が副教材として購入したりしていました。 

私もそのような使い方に賛成でした。 

 

ですが、これから入手するのでしたら、旧版を探して買うことをお勧めします。 

旧版と新版の表紙。 

他の科目も同様のデザイン変更がされています。 



四谷大塚Sapix化?】

まだ結論を出すのは早いですが、収録知識の難化、講習会のカリキュラム進行への組み込みなどを見ると・・・Sapixを追っている? 

 

繰り返し書いていますが、私はSapixのカリキュラムやテキストが好きです。 

最上位生にターゲットを絞った設計思想が明確だから。 

ただし、それには「転塾の選択肢」が有ることが前提です。 

 

なかなかアルファクラスやアルファベットの上位クラスに入れない場合、思い切って転塾をして、移った先の塾で頑張れば最難関校に合格することが可能、そんな選択肢。 

 

私のイメージではそんな選択肢の有力候補が四谷大塚およびその準拠塾でした。 

幅広いレベルの受験生をカバーして、ちょっと工夫すれば最難関校に対応できました。 

 

ちょっとした工夫として、例えば「比」の学習。 

私は、生徒のレベルが高い場合には5年生の上巻の理科で比の入り口を教えてしまっていました。 

天秤のつり合いで比を使った基本的な解き方に触れさせておき、「比の本質」を理解する学びは分数の取り扱いをしっかり身に付けた後に改めて、そういう順番です。 

 

予習シリーズや合不合判定テストが総体的に難化した場合、これまで対応できていた 下位生 トップ層以外の生徒 が切り捨てられてしまう危険性を感じています。 
(2022-05-28:表現の一部を変更しました。)

実際、昨年度の4年生から、準拠するテキストを予習シリーズから変更した受験塾が有るという話も聞こえて来ています。 

 

この話題、次回は5年生の下巻が出て来たら改めて検証してみたいと考えます。 

 

 

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