駒澤塾:中学受験の算数・理科

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合判(第1回) 理科の電気回路を解く技

四谷大塚の合不合判定テスト第1回の理科、大問4の豆電球回路の問題は、ふたつの技を使えば簡単に解けます。 

 

この問題で使う2つの技

赤鉛筆青鉛筆の技

トポロジーの技

 

【問題】

この記事を読む方は手元に合判の問題を持っていると思いますので、簡略化します。

問1: 知識問題なので省略します

問2: (図2)のような回路とつくってスイッチS1とS2の両方を入れたら豆電球がすべてついた。 (あ)と(う)の豆電球の明るさは?

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問3: 知識問題なので省略します

次に、(図3)のようにスイッチS1とS2のどちらも切り、AとDの間を導線でつないだ。

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問4: (図3)で光っている豆電球をすべて書け。

そのあと、スイッチS1だけをいれた。

問5: 豆電球(あ)と(い)は、それぞれどうなる?

ほいで、スイッチS1を切ってスイッチS2を入れた。

問6: その前後で点Qに流れる電流の大きさは何倍になる?

今度は、スイッチS1とS2のどちらも入れた。

問7: (図3)の時とくらべて、点Rを流れる電流の向きと大きさは?

 

 

【解説】

赤鉛筆青鉛筆の技 についてはこの記事を参照願います。

komazawajuku.hatenablog.com

 問2:

S1とS2の両方を入れた状態で、電池のプラス極に直接つながっている導線に赤い色を塗り、マイナス極の方に青い色を塗ると、それぞれの豆電球がどのように赤と青の線で挟まれているかよくわかります。

さらに、つながり方が変わらないように注意しながら回路全体の形を変形させる(トポロジーの技)と右図のようになります。 豆電球(あ)と(い)が二つ直列で、(う)は一つだけ、電池二つ分の電圧で光っていることが一目瞭然です。

(あ)は(い)とくらべて、直列→電気抵抗は2倍→電流は2分の1→暗くなる という事がわかれば正解できます。

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問4:

指示通りにスイッチを開閉して、赤鉛筆青鉛筆の技を使えばこの通り。

光っている豆電球は(あ)と(う)ですね。

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問5:

正答率が男子で26.3%、女子は22.3%でした。指示通りにスイッチを開閉して、赤鉛筆青鉛筆の技トポロジーの技を使えばこの通り。 問4とくらべて(あ)は明るくなり、(い)は消えていたのが光るようになります。

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ちなみに、

この回路は入試でも頻出の典型的な直並列回路です。 抵抗の合成を使った解き方が一般的ですが、それを教えても解けない生徒(「だって、わからないんだもん。」と言う生徒)には「とりあえず3分の2、3分の1、3分の1と覚えちゃえ」と丸覚えさせてしまっています。

参照: 先に解けるようになる、ということ - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

で、そういった丸暗記の生徒が「あれ?」と感じる機会を作るために、上の図では電池1個に豆電球1個の場合の電流の大きさを①とした場合の数字を使っています。 「なんで(い)は3分の1じゃなくて3分の2なの?」と質問して来た生徒はおもいっきり褒めて、なぜなのかを説明します。

 

問6:

この設問は正答率が男子12.8%、女子7.3%だったそうです。 つまり男子でも正解者は8人にひとり。

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赤と青で色を塗ったら短絡回路が出来て(う)ひとつだけが点灯するというのはすぐにわかりますね。 点Qの電流が問5の何倍になるかは、割り算をするだけ。 

 

問7:

図を見れば一目瞭然。 説明、要らないですよね?

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(図3)つまり問4の時とくらべて点Rを流れる向きは逆になり、電流の大きさは2倍になります。

 

 

【まとめ】

実際の入試や模擬試験ではマーカーや色鉛筆は使えない場合が多いですが、自宅での演習や解き直しで赤鉛筆青鉛筆の技を使っていると、問題を解きながらプラスかマイナスどちらか片方の導線を黒鉛筆で太く塗るだけで赤青の色が見えてきます。 目に見えない電流を可視化できれば、電気の問題は難しくなくなります。

 

難関校で問題の正答率を下げたい場合、出題者がするいぢわるの一つに「回路を変形させて分かりにくくする」というものがあります。

難関校を志望するならトポロジーの技、つまり回路を変形させて見やすくするという手間を惜しんではいけませんし、すばやく出来るようになる練習は必須です。

 

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