算数では年号を使った出題が数多く見受けられます。 2013年には灘中の計算問題に対して「無理!難しすぎっ!」「1時間やって解けなかった」などのつぶやきがあふれましたが、年号の素因数分解を確認しておけば約分が見つかる問題であり、その確認は中学受験では常識です。 そこで以前の記事へのリンクに2020と2021の情報を足し、自作の問題を追加してみました。
年号を使った問題には、数列で2020番目の数字を尋ねたり、数表で数字の2020は何段目の何列目に有るか尋ねたり、単純にその数字を使っただけの問題も多いですが、入試前に一度は確認しておきたいのは年号の数字の素因数分解です。
2019までを扱った以前の記事でも冒頭で素因数分解を並べています。
2020と2021の素因数分解は次のようになります。
2020 = 2 × 2 × 5 × 101
2021 = 43 × 47
2021も素数2個の積で、約数が1,43,47,2021の4個になる特徴的な数字ですね。 今年か来年あたりに45の平方数である2025と関連付けた問題が出されそうな気がします。
たとえば、こんな問題はどうでしょう? 広尾学園の2014年度第3回の入試問題を参考にして 2021の 43 × 47 を使ってみました。
【問題】
次の計算をせよ。
( 45 × 45 ) × ( 43 × 47 + 2 × 2 ) ÷ ( 41 × 49 + 4 × 4 ) ÷ ( 39 × 51 + 6 × 6 )
オリジナルの広尾学園の問題は筆算しても容易に答えを得られるものでしたが、こちらは筆算するとけっこうな手間になるはず。 ですが解き方に気付けば1分とかからずに正解が出せます。
ヒントは<面積図>です。
【解説】
二番目のカッコの中 ( 43 × 47 + 2 × 2 ) を面積図にしてみました。
この面積図を<等積変形>して行きます。
1) 右端を幅2で切り出して 43 × 2 の長方形を作ります。
2) 2 × 2 の正方形と合体させて 45 × 2 の長方形にします。
3) 45 × 2 の長方形を横倒しにして上に乗せます。
すると 45 × 45 の正方形になりました!
同様な操作をすると、問題の式にある4個のカッコ内は全て 45 × 45 になります。
よって、この計算の答えは
2025 × 2025 ÷ 2025 ÷ 2025 = 1