駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

数の性質:年号を用いた問題

SSとかNNという単語にピクってなる人は必読。 <数の性質>の中の1ジャンルに西暦の数字を使った問題があります。 これについて取りまとめて、今年(2018年2月)の受験前に生徒に配った資料を載せます。 算数の単元としては<素因数分解><n進法><約数の個数>です。 

【問題】

(1) 2019を素因数分解しなさい。

(2) 2018を素因数分解しなさい。

(3) 2017を素因数分解しなさい。

(4) 2016を素因数分解しなさい。

(5) 2015を素因数分解しなさい。

(6) 2014を素因数分解しなさい。

(7) 2013を素因数分解しなさい。

(8) 2012を素因数分解しなさい。

(9) 2011を素因数分解しなさい。

(10) 十進法の2016を二進法で書きなさい。

(11) 2016の約数は何個ありますか。

(12) 2018の約数は何個ありますか。

(13) 1から30までの整数で約数が4個ある数をすべて書きなさい。

(14) 2017と2016の積を2015で割ったときの余りをもとめなさい。

 

【解説】

まず最初の9問は、年号の数字そのものの素因数分解です。 丸暗記する必要はありませんが、2011と2017が素数であること、2016が素数8個の積になること、2012から2015は全て素数3個の積になること、2018と2019は素数2個の積になることという大枠のイメージは知っておいて損がないです。 約数を見つけにくいのは2014と2015ですね。 

(1) 2019 = 3 × 673

(2) 2018 = 2 × 1009

(3) 2017 は素数なので 2017

(4) 2016 = 2 × 2 × 2 × 2 × 2 × 3 × 3 × 7

(5) 2015 = 5 × 13 × 31

(6) 2014 = 2 ×19 × 53

(7) 2013 = 3 × 11 × 61

(8) 2012 = 2 × 2 × 503

(9) 2011 は素数なので 2011

 

2016の2進法表記は非常に特徴のあるものでした。 1が6個続き、それにゼロが5個続きます。 

(10) 11111100000

追記:N進法に関して解説した記事です。

N進法、インド人は偉かった - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

2016というのは他にも特徴の多い数字です。 たとえば2016は63番目の三角数なので「数表の2016番目の数字を答えさせる問題」なども作れたはず。(←入試への出題例は未発見なので知ってたらコメント欄を使って教えてもらえると嬉しいです。) 

 

 これ以降の問題は手書きイメージを掲載します。

f:id:komazawajuku:20180527221658j:plain

(11) 2016という数字は約数の個数にも特徴が有ります。

 2016の約数の個数は 36個 

この36個というのは1680の40個の次に次いで多い個数です。 (他に36個の約数を持つ年号は、1260、1440、1800、1980)

素因数分解した素数の個数から約数の個数を計算する方法は、<場合の数><選び方>の考え方なのでいずれ改めて書きます。 

2018/12/24追記:書きました。

上手な暗記法:知識のネット化:数の性質と場合の数

(12) 手書き解説に書いているのは<横T字表>と名付けた解法です。 求める数の右に横倒しのTの字を横長に書き、上の段に1から順に約数を書いて行きながら下の段にそれで割った商を書いて行きます。 上と下の数字がゴッチンコしたら終了です。 

2018の約数は 4個 です。 この設問を使って、約数が2個は素数、約数が3個は素数の平方数、約数が4個というのは素数2個の積または素数の立方数であるという知識の確認をさせます。 

2022/01/30追記:関連記事を書きました。 

約数の個数が4個までは必須 - 駒澤塾

(13) 「約数4個の数字の小さい方からn番目」という問題は<地味コツ>な整理を要求するので面倒臭がって嫌いだと言う生徒が多いです。 

(14) <式の変形>が得意な生徒なら<分配則><結合則>で解ける問題ですが、ここでは<面積図>を使って解いています。 こういう面積図を使いこなせると、「商と余りが同じになる」問題などにも応用できます。 

ちなみに<式の変形>を使った解き方 ・・・(大人には簡単に見える解法)

2017 × 2016 ÷ 2015

=( 2015 + 2 ) × 2016 ÷ 2015

=( 2015 × 2016 +2 × 2016 ) ÷ 2015

={ 2015 × ( 2015 + 1 ) + 2 × ( 2015 + 1 ) } ÷ 2015

=( 2015 × 20152015 × 12 × 2015 +2 × 1 ) ÷ 2015

下線の項は2015の倍数なので、除算の余りは 

  

年号に関するプリントは一般的なクラスでは受験の直前の時期に配ることが多いです。 ただ大手塾で学校名の前にNNとかSSが付くコースを狙っている人は選抜試験に向けて知っておいて損は無いので、この時期にブログに掲載しました。 

 

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