駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

入試直後の声掛け:今から準備を

2月の受験まで一週間となりました。 受験直前にどんな声掛けをするかシミュレーションを頭の中で繰り返している方も多いのではないでしょうか。 ですが試験が翌日にも続く場合、終了直後の声掛けや会話が大きな影響をもつことにも注意が必要だと思います。

受験終了直後、耳に飛び込んでくる会話の多くは「どう? できた?」です。

気持ちはわかりますけれど、この質問は何の目的でしているのでしょうか?

 

受験直後の声掛けは、しっかりと目的意識を持っておこないたいです。

最大の目的は、次の試験に向けてお子様の気持ちを誘導すること、であるべきです。

「どう? できた?」と尋ねられることでやる気満々になる子なら良いです・・・が、

万が一にでも「あっ、ママは自分の不安をぶつけてるだけなんだ。 僕よりも・・・」と感じさせてしまったら?

 

会場から出て来た子に掛ける言葉は本人の気持ちを第一に考えて、次のテストに向けて気持ちを前向きに誘導できるなら何でも良い、と言えます。

たとえば「むずかしかった?」と尋ねて、

「むずかしかった!」と答えたら、「じゃぁ、他の子も点数とれてないよ。結果発表を楽しみに待ちましょ。」

「むずかしくなかった!」と答えたら、「じゃぁ、きっと大丈夫だよね。結果発表を楽しみに待ちましょ。」

どちらも同じ結論ですが、要は第一声に対して子が何と答えようとポジティブに誘導できるよう事前に考えておく、ということです。

もしも事前の想定を大きく外れた答えが返ってきたら? 明るく笑って正直に「あははは、その答えは考えてなかった。」で良いです。 それだって「自分のために、事前に考えておいてくれた。」ということが伝えられるわけですから。

 

「疲れた?」という問いかけも良いですね。 同時に表情なども見て、布団に入るまでの時間の使い方を調整してあげられたら理想的です。 そして何をさせるかという指示でも最優先にすべきは本人のモチベーションです。 

無理に「勉強」をさせても、たかだか数時間で習得できる知識が出題される確率はとても低いですよね。 そうではなく、モチベーションを調整できたら・・・ 各科目で丸をひとつ(以上)増やせる可能性が高くなり、ずっと効果の高い時間の使い方です。

ということで、翌日の試験に向けて前の晩にさせることは何でも良い訳です。 「努力した」という実感で気持ちが盛り上がる子なら問題集をガシガシやらせても良いし、逆に何もさせずに休ませてしまっても良いわけです。 ゲームは駄目ですけど。

 

何をさせても良いと言っても、『特殊な例外』を除いて絶対にして欲しくないのが受けたばかりの問題の解き直しです。

合格者平均点はだいたいが7割のライン、他の科目で稼げたら5割強の得点でも合格の可能性があります。 実際に採点作業をしてみるとわかりますが、7割の得点つまり3割の失点でも、まして失点が4割を超えると「あれもバツ、これもバツ、うわぁこれもバツ」の感覚が半端ないです。

全力をぶつけたばかりの問題に対して、翌日も試験が続く極度の緊張の中、「あれもバツ、これもバツ、うわぁこれもバツ」の波をかぶったら・・・心が折れます。

模試と1月上旬のお試し受験は絶対に全問の解きなおしをすべきですが、2月の受験期に入ったら『特殊な例外』を除いて絶対にしてはいけません。

 

試験当日の解き直しに関連してひとつ。

試験時間が長くて途中にお弁当時間の有る入試でのお弁当時間、絶対に一人で食べさせてください。 顔見知りの受験生が居ても黙礼以上の会話をさせてはだめです。 そのような学校を受験する生徒の保護者の方、ぜひとも留意するようお願いします。 会話をしながらお弁当を食べれば自然に解いたばかりの問題の話題になります。 「あれもバツ、これもバツ・・・」心が折れます。

 

 

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