立方体を切った時にできる切断面の寸法を公開します。 100均ショップの透明プラスチック容器に入れれば、「あの教材」と同じ体験ができます。
【前提にした立方体の寸法】
使用する透明プラスチック容器は、これです。
うちのりをノギスで測ってみたら開口は57.3mmありました。
今回の切断面の形を見るための型紙は一辺を56mmとして設計しました。
【出来上がりのイメージ】
こんな感じで容器にすとんと落とし込むと気持ち良く所定の位置におさまります。
【設計図】
設計図の公開は、どこかの共有サイトを使ってPDF形式でとも考えたのですが、利用される方のプリント環境がわからないので寸法を書き込んだ図の形式にしました。
青色の数字は一辺を56mmとした場合の寸法で、今回の『立方体の切断キット』におまけとして同封した型紙もこの寸法になるように印刷しています。
赤色の数字は一辺を1とした場合の比率です。 手元にすでに立方体の容器が有る場合、うちのりの寸法から1ミリか2ミリぐらい減じた長さにこれらの比率を掛け算して寸法をお決めください。
【作図の方法】
物差しとコンパスだけでできるようにしました。
手順1:物差しでひとつの辺の長さの線を書く
手順2:両端からコンパスで次の辺の長さの弦を書く
手順3:2つの弦の交点に向けて線を書く
この繰り返しだけにより、三角測量」の仕組みで正確な図が描けます。
右端に並んでいる正方形と長方形に関しては次の手順をお勧めします。
手順1:間隔56mmで長い平行線を引いてしまう
手順2:一か所に物差しで56mmの長さの目印を書く
手順3:両方の目印からコンパスで半径79.2mmの弦を書く
手順4:平行線と弦の交点が正方形の残りの2個の頂点
手順5:正方形を基準にして長方形3個の幅を決めて行く
最初の正方形を描くとき、コンパスの使い方が正しければ直角定規を使うより正確に90度の垂線が書けますのでお試しください。
【省略した切断面】
各図形の丸数字は「あの教材」と合わせてあります。 ただし丸13番の「正六角形でない六角形」に関しては作る手間のわりに使い道が無いので省略しました。
また私の作った切断面一覧表からも「ただの三角形」「ただの台形」「平行四辺形」は同じ理由で省いています。
2020-06-08 追記:切断面の一覧表は、この記事に有ります。
【この型紙で学べること】
本来は立方体の見取り図に3個の点を指示して、それを通る切断面が型紙の何番になるかという対応を示したいのですが、それはまた別の記事とします。
それら切断面の判定が、「あの教材」の『ふぞく教材を使う問題』に対応することになります。
残りの『基礎問題』『練習問題』『実践問題』に関しては、もともと切断面模型を使った解説では有りませんでしたから、該当する市販テキストで学べば教材全体のカリキュラムが再現できるはずです。 ただし、それらの中で取り上げている例題や、それらの並べ方は良く考えられているなとも感じますので、概要を紹介した下の記事を参考にして頂けると学習効果が更に向上すると思います。
【まとめ】
立方体の切断に関する学習で、切断面の形について実物を見て感覚を養うという部分については今回の型紙を作れば充分に役立ちます。
ただし、実際の入試問題は複雑な展開図から立体の姿を想定する出題が学校のレベルを問わず出ますので、展開図の組み立てを生徒自身にさせられるキットを作りました。
ちなみに、展開図キットと今回の切断面だけの型紙は寸法が意識的に変えてあります。
切断を体験する組み立て模型の方はぴったりの寸法で作ると容器からの出し入れが引っかかるので一辺を53mmから54mmの間で設計しており、今回の型紙は一辺を56mmで設計したからです。
組み立て模型も初期の頃はぴったり寸法で作っていました。 ぴったりすぎて、容器から出すときに生徒がこじって、あっという間にいくつも壊されました。