駒澤塾:中学受験の算数・理科

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気体の発生計算は、えこガあまり

化学分野の反応に関する計算は塩酸と水酸化ナトリウムの中和に関するものが問題集で数多く扱われていますが、気体の発生、たとえば亜鉛と塩酸による水素の発生に関する問題も要チェックです。

 理科の計算問題が苦手という生徒には共通点があります。 

まず、A × B = C の比例関係の式を即答できないのは、「苦手」うんぬんを口にするまえに必須の知識そのものが欠落しています。

必須の知識は習得済みだけれど計算問題が苦手という場合には、「登場する数字のどこを見れば良いか、時間をかけて考えないと思いつかない」が原因のことが多いです。

対策として「定型フォームの表に問題に登場する数字を書き写してから考える」という方法があり、今日は気体の発生を表で整理しながら解く方法を紹介します。

例題は城北中学の2019年度・第2回から大問3です。

 

【問題】

亜鉛に塩酸を加えると、亜鉛が溶けて気体が発生します。
塩酸の量と気体の体積の関係を調べる実験をしました。
実験A、B、C、D では、亜鉛を1gずつとり、
5%の塩酸をそれぞれ 10g、20g、30g、40g加えて、
発生した気体の体積をはかりました。
これらの実験の結果をまとめて表にしました。

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問1 (基本的な知識の出題なので省略します。)

 

問2 
亜鉛1gをすべて溶かすのに必要な5%の塩酸は何gですか。
答えが割り切れないときは、小数第2位を四捨五入して、第1位まで答えなさい。

 

問3
実験後のBとDのそれぞれに、さらに亜鉛を1g加えました。
このとき、新たに発生する気体はそれぞれ何cm3ですか。
気体が発生しないときは0と答えなさい。
答えが割り切れないときは、小数第1位を四捨五入して、整数で答えなさい。

 

問4
亜鉛1gに2.5%の塩酸を30g加えました。
(1)
このとき発生する気体は何cm3ですか。
答えが割り切れないときは、小数第1位を四捨五入して、整数で答えなさい。
(2)
このときに亜鉛は何g溶け残っていますか。
溶け残っていないときは0と答えなさい。
答えが割り切れないときは、小数第3位を四捨五入して、第2位まで答えなさい。

 

間5
亜鉛の代わりに、ほかの物質を使って気体を発生させる実験をしたいと思います。
塩酸を加えて気体を発生する物質を、つぎのア~オからすべて選び、記号で答えなさい。
ア アルミニウム
イ 食塩
ウ 石灰石
エ 鉄
オ 銅

 

【解説】

問2 必要な塩酸の量
登場する数字を<えこガあまり>表に整理してみます。
 え=液体
 こ=固体
 ガ=ガス(発生する気体の量)
 あまり=余剰に注目しつつ、自由に使う欄

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 AとBでは塩酸の量に比例して気体の水素も増えていますから、余っているのは亜鉛です。
この表を作る時点でCはぴったりポイントなのかどうかはわかりません。
CとDの水素発生量が同じですから、Dはあきらかに塩酸が余剰の状態です。
つまり亜鉛1gが全て反応すると水素が360cm3発生することがわかります。

尋ねられている必要な塩酸の量とは、水素を360cm3発生させるぴったりの量です。
AとB(どちらも亜鉛が余剰)の数字を単純にみると、16倍です。
よって、ぴったりポイントは
 360 ÷ 16 =   22.5  

 

問3と問4の<えこガあまり>表

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問3 亜鉛を1g足すと?
まずBについて見ると、すでに亜鉛が過剰でしたから   0  

Dは塩酸が余っていました。
ここに亜鉛1gを追加で投入して、まだ塩酸が余るか、使い尽くすか、判断が必要です。

Dの塩酸の余剰量は
 40 - 22.5 = 17.5
亜鉛1gを溶かすのに塩酸は22.5cm3必要でしたから、追加の亜鉛は溶け切りません。
よって新たに発生する水素の量は、この塩酸の量に比例となり
 360 ÷ 22.5 × 17.5 =   280cm3  

 

問4 濃度が半分の塩酸
(1) 発生する水素の量
濃度2.5%の塩酸30gは濃度5%の塩酸15gに相当します。
<えこガあまり>表で言えば、AとBのちょうど中間ですね。
 15 × 16 =   240cm3  
あるいは、ぴったりポイントの22.5gを使って比例計算でも良いです。
 360 ÷ 22.5 × 15 =   240cm3  

(2) 余剰となる亜鉛の量
塩酸15gというのは、ぴったりポイント22.5gに7.5g不足です。
7.5gというのは22.5gの三分の一ですから、亜鉛も三分の一余ります。
 1 ÷ 3 = 0.333・・・   よって  0.33g  


問5 塩酸で気体を発生する物
塩酸で「気体が発生する」物質という選択です。
「水素が発生する」ではありません。問題文に注意が必要です。

   ア、ウ、エ  (要完答、不順可)

 

【まとめ】

先に書いたように理科の計算問題を解くポイントは、まずは登場する数値の比例関係を即答できるレベルで覚えることです。 これについては本ブログを「テントウ虫」で検索してください。

次のステップが今日の記事で、登場する数字を定型フォームの表に書き込んで「表に解き方を教えてもらう」ことです。

 

気体の発生問題は今回の水素の発生のほかに塩酸と炭酸カルシウムによる二酸化炭素の発生に関する問題もありますが、これらはどちらも<えこガあまり>表で解けます。

2019年度の過去問を、いわゆる銀本で検索すると、ラサール中学、豊島岡女子、浦和明の星などで出題されていました。

年度をさかのぼると女子御三家では平成26年に女子学院、平成24年桜蔭、平成22年と平成12年に四谷雙葉などで出題されていますし、男子校でも2018年度第2回の明大中野などで出ていました。

 

気体の発生に関する問題で解き方が異なるのは過酸化水素水と二酸化マンガンによる酸素の発生で、こちらは「触媒」のはたらきを理解しているか問われます。 平成18年の女子学院や平成10年の四谷雙葉などで出題されました。

 

 

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