iPad Proを買ったのは、教材の制作をどこでも出来るようにするためです。
どのようなアプリを使って、どのような手順で制作するか、検討をしています。
まずは、これまでWindowsでやって来た画像加工の内容をまとめてみました。
加工は主に、コントラストの調整、トリミング、書き込みです。
紙教材を画像データにする手順については別の記事でまとめます。
私は算数や理科の教材を制作するとき、基本的に手書きで原稿を作っています。
手書きしているのは、分数や整理表等を混じえて自由なレイアウトで書きたいからです。
世の中には、リッチテキストなど書式を織り込める規格も有ります。
ただ、特定のアプリの専用データとして資料を作るのは嫌いなのです。
これまで何度も基盤ソフトのバージョンアップでひどい目にあって来ました。
単純な「手書きの画像データ」が安心できる形態です。
複数ページをまとめる目的でPDFにしてますが、コメント等は使っていません。
手書きで教材を作るだけなら、たいていの画像ソフトでできます。
レイヤーが使えて、ページレイアウトを原稿用紙として準備し、そこに重ねた透明レイヤーにペンで手書きができれば原稿を作れます。
というわけで、パソコンやタブレット上でやる作業のメインは画像の加工です。
【画像の加工】
加工は大きく三つ。
その1:コントラストや明度の調整(影の消去)
その2:トリミングや傾きなどの補正
その3:ペンタブレットから手書きの書き込み
その1:コントラストや明度の調整(影の消去)
ペラ紙のPDF化ではScanSnapを使っていますが、その自動調整で不具合が出ます。
活字だけのページと写真の載っているページで大きく色調が変わります。
活字だけのページは白黒2値でクリアな文字のイメージを取り込めます。
写真の載っているページはグレイ取り込みになるので薄墨な文字になります。
ScanSnapで取り込み時の濃度を調整できれば解決するのですが、できません。
手動で調整できるのは白黒2値でのスキャニングだけです。
そのため、文字のくっきりしたページと薄墨なページが混在してしまいます。
そこで、画像ソフトでコントラストと明度を調整してクリアな文字にしています。
また、ScanSnapを使い始める前に撮影した映像や、生徒から送ってもらった映像には、写り込んだ影や明度の大きなムラが有ります。
これもコントラストを99パーセントに指定して、地の色がグレーになるギリギリの明度まで色を濃くすることで改善して来ました。
用紙のすみにできた大きなムラも、範囲指定をしながら多段の調整をすればクッキリした文書に加工できます。
加工前:
加工後: (書き込みを手作業で消した後、色合いを調整しました)
その2:トリミングや傾きなどの補正
不要部分の削除や、必要な部分の切り貼りなどについては、どの画像ソフトでも可能。
その機能に関しては、あまり心配していません。
iPadへの作業環境の移行で気にしているのは、台形とか、部分的に斜めになった画像などの補正を楽にできるアプリは何だろう?ということです。
ScanSnapなどのカメラからの画像の場合、原稿に折り目が有ったなどの理由で行が途中で折れ曲がってしまっている場合が有ります。
指定範囲に対する変形が楽にできると、補正が効率良く実施できます。
今回の行の傾きの修正なら、3分もかからずにこんな感じにできます。
その3:ペンタブレットから手書きの書き込み
これまではデスクトップパソコンにワコムのペンタブレットをつなげて字を書いていました。
それで不自由は感じていませんでしたが、Apple Pencilを使って認識が変わりました。
まるで実際の筆記具を使っているようにペン先から線が生じるさまは快適です。
12.9インチiPadの場合、縦位置で使うとほぼA4サイズなので、まさにWYSIWYGです。
⭐︎WYSIWYGとは
What you see is what you get. の略です。
画面で見ている物が、完全に同じ書式で印刷物として得られるという意味です。
アップルがDOS/Vマシンや初期のWindowsに対する差異として謳っていました。
最終的に得たい印刷物のイメージが画面上で一覧でき、必要に応じて拡大も可能。
この環境は一度使うと捨てられなくなります。
これは問題文のレイアウトをずらし、ペンタブレットで手書き文字を入れた例です。
ちなみに、
Windowsパソコンで私が使っている画像ソフトは、これです。
20数年前、ウルトラキッドと呼ばれていた時代から使っています。
このソフトは、お勧めしません。
かなり高機能なことまで出来るソフトなのですが、マイナーです。
そのため、使いこなしに関する情報が出回っていません。
このソフトに関して書いた記事です。
2020-06-17:番外編日記:写真の補正
2024-03-19追記:iPad上のアプリ Procreateで加工をしてみました。