駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

Windows11にしてみたのだが

パソコンのOSをWindows11にしてみました。 使い勝手が良くなったと感じる点は何ひとつ無く、鬱陶しいと感じる点がボロボロ出て来ています。 文句たれながら何かと似ている事に気付いた。 これ、大手塾の教材の改訂に感じて来たことだ。 

 

私にとってパソコンやタブレットは9割がた「仕事の道具」です。 最先端のエクスペリエンスとか、動画への対応とか、不必要なほどの画素数の処理能力とか要りません。 仕事がサクサクと出来れば十分です。 

 

携帯電話は3Gの機種を「15年間」使い続け、どうしようも無くなって機種変更をしたのですが、その時のことを書いたのが次の記事です。 

携帯電話の機種変更 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

仕事に使う道具なのに、それを使うための勉強を利用者に強いる、それを使うための入門解説書が本屋に並んでいる、なんてのは恥と感じるべきです。

 

道具の使い方について調べるというのは苦手じゃ有りません、むしろ大好き。 使い方を学ぶことで、その道具を「使い切れる」なら、使い方の学習は楽しみになります。 遠隔授業で書画カメラが欲しくなって、五千円以下の中古スマホを買って貸し出し用にセットアップした話が次の記事です。 

遠隔授業用の格安書画カメラ - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

出先ではノートパソコンと持ち運びのできるプリンターを使うことが有りますが、ノートパソコンは新型に買い替えた娘からの「お上がり」ですし、プリンターは中古品を一万円強で買って、インクタンクの出口に黒インクを滴下してエラーメッセージをキャンセルしながら使っています。(キヤノンはこういう使い方が出来るから好き。 エプソンは出来ない。) 

可搬小型プリンター考 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

 

自宅ではデスクトップパソコン2台を並べて使っています。 一台が使えなくなっても仕事は続けられるので、今回そのうち一台をWindows11にしてみました。

先生向け:Zoom集団授業:複数台の活用例 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

Windows11にしてみて最初の感想は「思ったより変わってないなぁ。良くも悪くも。」でした。 

とりあえず使い方に戸惑うような変更は見つかっていないし、フォルダー内の先読み機能停止などの個人的にした設定も引き継がれているように思えます。 

逆に、レスポンス等、良くなったと感じる所も特に有りませんでした。 

 

と、思っていたら・・・

これまで問題無く使えていたドキュメントスキャナ「ScanSnap S1500」が使えなくなってしまった。 受験本番まで1ヶ月強のこの時期、困ります、これは困ります。 本来ならスキャンして捨てられるはずの資料が、毎日、毎日たまっている状況です。 

 

まぁ、他のパソコンに繋ぎ替えたり、ドライバを入れ替えたりすれば使えるようになるのでしょうけれど、無駄な時間は十分間でも浪費したくない今の状況で、これは腹が立つ。 

 

そもそも、Windowsなんか使うな、という声も聞こえる気がします。 UNIX系のOSにも興味は有るのですが、アプリケーションの切り替え、蓄積したデータ資産の継承、周辺機器類の利用継続などを考えると躊躇ってしまいます。 

過去の安定したバージョンのWindowsを使えると嬉しいなぁ。 はっきり言って現時点で仕事に使っているアプリケーションソフトって、その全てが、ひとつの例外も無く、WindowsXPで動いていた物なのよねぇ。 

ハードウェアに無駄なスペックを要求するシステムそのものの肥大化に加えて、ストレスを感じるのがインタフェースに「無駄な」変更が有ること。 

たとえば、なんでネットワークの設定の方法、画面構成や用語などを変えるの? それで誰が得をするの? 何かが良くなるの? 思い付きでユーザインタフェースを変えるのはやめて欲しい。 提供者の都合で不要な変更をして、利用者がそれを拒絶できないってのは、寡占による最大の弊害でしょうね。 

 

と、ここでいきなり教材の改訂の話に変わります。 

あるところで、こんな意見を見ました。 

「△△塾はダメだ。 十年一日で同じテキストを使い続けている。」

これは否定しません。 話をしたいのは逆に毎年のように大幅な改訂をする場合。 

受験生から見たら、これは悪いことでは無いように見えます。 毎年、最新の知見を織り込んだ新版の教材を使える訳ですから。・・・本当に、そうでしょうか?

 

大手の塾で教える先生には色々なタイプがいます。 教材の解答・解説どおりの解き方だけを教える人、生徒のレベルを見ながらオリジナルの工夫をした解き方を教える人。 塾によっては解き方どころか板書の内容もきっちり決まっていて、それを黒板に書くだけ、というところもあります。 

私は、このブログを読んでいる方にはお分かりと思いますが、ひとつの解き方にこだわらない、生徒のレベルによって工夫した解き方を教えて「解けるようにする」のが好きなタイプです。 

 

と言う事で、

私は嫌いです、毎年全面改訂のかかる教材が。 

いや、作った資料が毎年チャラになるのは良いのです。 好きでやってる事ですから。 

ただ、そういう教材を使っている大手塾の教室って、アレンジする能力のある一部の講師以外、本社の送って来た解き方を金太郎飴のように伝えるだけになってないのか、それが心配。 

 

私は「誰にでも適合する唯一無二の解き方なんてものは無い。」というのが信条です。 

ですから「解答・解説の通りに解け。理解できないのはお前の勉強不足。」なんてのはプロダクト・アウトの傲慢な姿勢(Like as Microsoft)だと感じてしまいます。 

 

しかも、(この辺から、妄想全開の邪推です)

大手学習塾で教材を作る人って、どんな人か考えれば・・・

本社でそれなりの立場に就いている人、つまり合格実績を積み重ねて昇進した人、クラスを受け持つとしても学校名付きの特別コースを担当する人たちでは? 

そのような人たちが触れ合う生徒って、トップクラスに在籍して飲み込みの早い生徒ばかりでは? 無意識に理解力の高い生徒を物差しにしていないですか。 

 

そんな解説を毎年の大幅改訂を伴って使わせれば、かなりの割合の講師がそれをそのまま伝えるだけの授業になってしまうのではないでしょうか? 

「いや、そんなことはない。」とおっしゃる方は、先生や保護者や個別指導や家庭教師に「解説を読んでも判りません。」と言いながら質問に来る子がなんでこんなに多いのか説明して欲しいです。 

 

教材の全面改訂が数年に一度なら、各教室での講師による工夫はずいぶん出来るようになると思います。 「去年はこの問題の質問が多かったから、今年はちょっと工夫して教えてみよう。」とか。 

 

なんで毎年の全面改訂をするのでしょう? 改訂によって合格実績は上がったのでしょうか? 「上がったはずだ」ではなくて数値として改訂の効果は因果関係が証明されているのでしょうか? 私にはそんな数値データが有るとは思えないです。 

なんで毎年の全面改訂をするのでしょう? 極論すれば「改訂をする部署が有るから」ではないですか? 貴重な人的資源を消費し、初版特有のバグ(解答の間違いならともかく、ひどい時は問題不成立が混じったりしてます)が授業の進行を遅らせ、各教室の創意工夫の意欲を減じる、そんな改訂をなぜしているのでしょう? 

 

塾が発行する教材の全面改訂は数年に一度で良いと思います。 新傾向の出題への対応は増補版の冊子を付ければ十分だと思います。 Windowsのバージョンアップをきっかけに、そんな事をつらつらと考えた年の暮れでした。 

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あ、あとひとつ。

大手塾の教材改訂でしたら、各教室に所属する講師陣の集団知を活かすワークフローが組めれば必要な経費は半減できると考えるのですが、そんな方法を取っている塾は無いのかな?

 

 

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