春の七草は覚えている人も多いですが、秋の七草って全部言えますか。
中学入試ではどのくらい出題されているのかな?
確かめて見るために、有名中学入試問題集の2019年度用から2024年度用までの6年分を検索してみました。
受験参考書は本質的に「肥大する」宿命を持っています。
★入試問題に出た知識が載っていない本は誰も買いません。
★しかし、出たことが無い知識が載っていても誰も文句を言いません。
従って受験参考書は無駄に肥大します。
不要な知識だらけになり、絶対必須の知識がそれに埋もれます。
実際の入試での出題状況を調べる前に、
受験の参考書で春の七草と秋の七草の記述を調べてみました。
春も秋も七草の記述が無かったのは「四谷大塚 四科のまとめ」と「日能研 メモリーチェック」でした。
「Sapix コアプラス」は、春の七草が質問番号577で尋ねられ、それの解答欄で秋の七草が「参考」として記載されていました。
「早稲アカ マスターテキスト知識編」は、季節の植物のページに春の七草も秋の七草も、図鑑級の詳細情報で記載されています。
早稲アカのマスターテキスト知識編には詳細すぎるほどの情報が載っていますが、このような教材を使いこなす方法は、この記事で書きました。
さて本題の「秋の七草が中学入試で出題されるのか」の話です。
有名中学入試問題集の2019年度用から2024年度用まで6年分を検索してみました。
使った道具は Adobeの Acrobat Reader です。
編集メニューの「高度な検索」でフォルダ内の全ファイルを一挙に検索するという方法で調べてみました。
結論から書きます。
「秋の七草」を暗記していないと正解できない出題は6年間一度も有りませんでした。
以下、キーワードごとに検索結果をまとめます。
【クズ】
2019年の青山学院で春の七草に含まれない方の選択肢の中に登場しました。
青山学院では2018年にも外来植物関連の選択肢問題にクズの名が有りました。
【ナデシコ、キキョウ】
2021年の桜蔭中で、開花時刻の一覧表に登場しています。
設問として尋ねられてはいません。
【キキョウ】
2021年の桜蔭中では上の問題の他に合弁花を選ぶ問題でも選択肢に入っていました。
また、2022年の慶應普通部ではスミレの問題で開花時期(こちらは開花時刻ではなく開花月)の問題で登場しています。
【秋の七草】
解答・解説編を含めて「秋の七草」というキーワードはヒットしませんでした。
【理科以外での登場】
国語や社会で出て来た結果も書きます。
【女郎花】 2021年の開成中の国語に登場しました。
【尾花】 2022年の聖光学院の国語に「枯れ尾花」として登場しました。
【葛】 「葛藤」「葛飾北斎」「葛飾区」など国語や社会の問題が多数ヒットしました。2018年の女子学院の国語に「諸葛孔明」が登場していました。
【萩】 「萩市」「萩焼き」などが凄くたくさん出題されています。やはり内閣総理大臣を輩出した場所は要チェックですね。2023年にも開成、慶應普通部、立教新座、東邦大東邦などで出題されています。
【ハギ】「オハギ」「カワハギ」「フクラハギ」など、データベース検索でいう「ノイズ情報」が多数ヒットしました。
【一件もヒットしなかったキーワード】
これらのキーワードは今回の検索でヒットがありませんでした。
印刷物からスキャンして、それをOCR処理しているので取りこぼしは有るはずですが、抽出できているキーワードもたくさん有ることから、実質的にこれらのキーワードは出た事が無いと判断して良いと考えます。
【オミナエシ】【オバナ】【撫子】【桔梗】【フジバカマ】【藤袴】
今回は秋の七草がどのように出題されているか調べてみました。
結果を見て皆さんはどう思われますか?
手間をかけて秋の七草を、がっちり、しっかり暗記する必要は有るでしょうか?
私は選択肢式の問題にそこそこの正答率を出せる知識が有れば充分だと思います。
https://tsubakiblog.com/akinonanakusa/