駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。駒澤大学とは関係ありません。

入試寸前まで一冊の参考書を育てよう

1月の中旬や2月の最初の週、夜明けごろの電車に乗ると緊張した顔の親子が目につきます。 その中には参考書を開いて最後の知識確認をしている子も居て、ついつい視線を走らせてしまうのですが、持っている参考書にいくつかの特徴があると私は(心の中で)笑顔になってしまいます。 「良い指導を受けられたね。」って。 今日は受検当日まで知識確認に使う「参考書を育てる」という話です。 

 

 私を笑顔にする参考書の特徴とは、 <ぶ厚すぎず持ち運べる薄さ>、 <持ち歩いた証拠に表紙がボロボロ>、 <開いたページにたくさんの書き込みとマークの跡> などです。 

 

よくある受験生のパターンとして、一冊の参考書を「とりあえず」終えたら次から次へと新しい参考書に手をつける、というものがあります。 そのようなやり方は無駄が多いです。 ものすごく無駄が多いです。 だって新しい参考書を頭からやり直すってことは、すでに覚えていることにまた時間を使うということですから。 勉強の時間は「まだ覚えていない知識」に使うべきです。 

 

参考書は各科目について一冊を決め、これを7割主義で覚え、その先の知識が「参考書のどこに書いてあるか」というレベルまで把握するという勉強法をお勧めします。 

 

知識全てを一発で完璧に覚えられる受験生は居ません。 2018年6月8日に「上手な記憶法:門前の小僧とアンパンマン」で書いたように、繰り返し脳に刺激を与えることで初めて知識が記憶として蓄えられます。 ではその繰り返しの刺激はどのようにやれば効率的でしょうか? 

 

小6の夏期以降の勉強時間を効率良く使う方法として、具体的な手順の提案です。 

 

手順1:参考書(問題集形式が使い易い)を一冊決めます。 

手順2:鉛筆で演習をします。 目的は単純に「既に覚えていることの洗い出し」ですから、正答率よりスピードを重視して進めます。 

手順3:鉛筆か青ペンで丸付けをして、赤ペン(色の薄い朱色が良いです)で正答を書き込みます。 色の薄い朱色を使うのは、赤い下敷きで見えないようにするためです。 

通っている塾のカリキュラムにも大きく影響されますが、一般的にはここまでの手順を時間的な余裕のある夏期中に終わらせておきたいです。 

 

手順4:総ページ数を5倍して、それを受験本番までに使える日数で割ります。 つまり受検本番までに見直しを5回繰り返すということです。 およそ1ヶ月でひとまわりですから、しっかりとやるのは無理ですが、それで大丈夫です。 

手順5:そのページ数、毎日かならず赤下敷きを使った見直しします。 この見直しは机に向かってやらなくてかまいません。 以下に説明するマークの付いた設問を重点的に、即座に正解を思い出せなかったものを5~10回復唱をするだけで良いです。 これだけなら小学校に登校する前の数分間で出来るはず。 

手順6:確認テストや模試で不正解だった項目には鉛筆か青ペンでバツ印をつけます。 その設問が参考書のどこに有るかは、演習を繰り返して行けば「こーこらへん」って感じですぐにページを開けるようになりますので、探す手間がどんどん楽になるはずです。 

手順7:自分が受ける学校の過去問演習で正解できなかった知識には「!」マークをつけます。 参考書にその項目が無かった場合は、関連する単元のページ余白に自分で問題(黒文字)と正解(朱色文字)を!マークと共に追加しましょう。 受検する学校が求めた知識ですから、これは重要です。 

手順8:最初の演習で正解だったのに、模試や過去問演習で繰り返し不正解してしまった場合、鉛筆を消して赤文字にし、バツ印か!マークを追加します。 

 

これを繰り返していったらどうなるでしょう? 受験が近付いた頃には、自分専用の、絶対に覚えなければいけない項目が洗い出された、そういう参考書に育っているはずです。 そしてその頃には何かの知識に関して「こーこらへん」で瞬時にページを開けるレベルまで到達しているはずです。 参考書の中のおよその場所やページの様子まで覚えられれば、試験中に記憶をひっぱり出す大きな助けになるはずです。  

 目的 : 客観的な視点で作った苦手リストを持つこと。(それが志望校の出題傾向と一致していたら値千金!)

 

当然、参考書には何が良いか?という質問がでると思います。

要求されるスペックとしては以下のような項目が考えられます。 

1) ぶ厚過ぎず持ち運べる薄さ

2) 穴埋め形式の問題集が使い易い  (説明形式の参考書の場合には2冊買って1冊はホワイトでキーワードを消して問題集にするという裏技もあります。)

3) 設問はランダムな配列よりも単元毎にまとまっている方が「知識の引き出し」を作りやすい

4) 知識の網羅性は求めなくて良い (手順7の設問追記で自分専用に育てられるから)

おおよそ上のようなスペックを満たしていれば、自分で育てられるので神経質になる必要は無いです。 

理科でいうと早稲田アカデミーの「マスターテキスト知識編」が好きなのですが市販していない内部専用教材です。 市販の参考書で良いものが有りましたらコメント欄で教えていただけると嬉しいです。(投稿時、コメントの公開可否の指定をお願いします)

算数については市販本でも内部教材でも必須知識や解法だけをまとめた問題集って見たことが無いです。 これ、市販したら「理解させない丸覚え教育の象徴」と叩かれて炎上しそうな気もしますけれど。 

受検塾の講師を始めた春に自分の頭の中に算数のマップを作りたくて、解法をリストアップして特徴や解法をまとめたノートを作ったことが有りました。 これ、目にした生徒(特に得点力向上に貪欲な生徒)から物凄くコピーを欲しがられました。 つまり需要はあるということですね。 (ちなみにそのノートの表紙に書いたタイトルは 『さあ楽しい算数の時間です』 でした。)