駒澤塾:中学受験の算数・理科

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理科で「学ぶ」こと:物理的安全

理科の入試問題で出題頻度が高いのは「安全を守ること」に関する問いかけです。 実験方法に関する設問は言わずもがな、地震や台風に関する出題なども頻出ですね。 そういった物理的安全に関する学びだけでなく、昨日の記事で書いたような社会的安全に関する学びも理科の学習に含まれていると感じています。 今日はそんな話です。 

 

理科の学習で「安全」と言われてすぐに思い浮かぶのは、化学分野で扱う実験方法に関する問題だと思います。 

・ガスバーナーを使う際の手順

・アルコールランプを使う際の手順

・マッチで火をつける際の、ガスバーナーとアルコールランプでのマッチの動かし方の違いと、その理由

・試験管で水溶液を加熱する際に沸騰石を入れる理由

・木片の乾留試験で試験管の口を下に向ける理由

これらは全て、安全に実験をおこなうための注意事項であり、入試での頻出問題です。 

水溶液の性質、気体の性質、金属の溶解なども生活の安全に直結する化学の知識です。 だいぶ前ですが、強酸性の洗浄液をアルミの水筒に入れて持ち帰ろうとして、地下鉄の車内で異臭騒ぎになった事件が有りました。 金属の溶解に関する配慮があれば防げたはずです。 

 

金属の溶解に関連して、鉄が塩酸などの酸には溶けても水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリには溶けないという事をしっかり記憶させたいシーンで私は、「鉄筋コンクリートの鉄筋はなぜメッキもペイント塗装も不要なのか」「コンクリート建造物の経年劣化」「モルタルの中和」「酸性雨の影響とその原因」などをひとまとめに関連付けて、情報を冗長化して教えています。 

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地学分野は台風、集中豪雨、平均気温の上昇、噴火、地震、断層、洪水など、生命の危機に直結する知識のオンパレードです。 

台風に関する基礎知識があれば、電気を含むインフラが壊滅した状況下で、直前に聞いた予想進路と現在の風向きから、天候が更に悪化するのか改善に向かうのか判断できます。 

地震に関する基礎知識があれば、初期微動継続時間から震源までの距離が推定でき、本震が到達してからの貴重な数十秒間の行動を最適化できます。 

水害に関しても、「線状降水帯」「バックビルディング現象」「バックウォーター現象」など暗記必須の用語が続々と増えています。 

 

生物分野では(既にその傾向が見られますが)免疫、それに関連して血液のはたらきと循環器の知識、呼吸器の知識などに関する設問が数多く出題されるはずです。 

有害物質やマイクロプラスチックなどの生物濃縮に関する出題も既にいくつも出されていますね。 

 

物理分野で頭に浮かぶのは力学関連、特に重心とてこに関する部分。 クレーンの転倒事故は吊り荷を含めた合成重心がアウトリガーの先端を超えてしまえば必然的に発生する訳です。 すごく単純な話なのに同類の事故が繰り返し起きるのは「物が倒れるとは」という実験と学習が小中学校の授業で不足しているせいではないでしょうか? 

 

と言う事で、ざっくり眺めても安全に関する知識は理科という科目の中にたくさん含まれていると分かります。 また入学試験でも高頻度で出題されますから、理科の勉強をしていて「安全に関わる知識」だと感じたら、しっかり覚えておくのが合格を勝ち取るコツのひとつだと感じています。 

 

中学受験は文部科学省の指導要領を守って問題が作成されます。 その制限の中で受験生に本人の頑張りに応じた点数の差をつけるために、問題を作る先生はめいっぱい工夫をする訳です。 

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受験生のレベルが高いほど出題者のする工夫も難しいものになります。 そして工夫が難しいほど、そこには出題者の「意思」が入ります。 各校の入試問題を分析していると出題者の「意思」が見えて来ます。 その時の楽しみのひとつが、安全に関連する新しい知見を問うような切り口で出題者の「意思」と出会うことです。 

 

さて、ここまでが理科という科目で学ぶ物理的安全に関する知識です。

昨日の記事で書いたのは、いわば社会的安全と呼んで良いかと思いますが、理科でそれに関連する学びはあるのでしょうか。 

 

私は、有る、と感じています。 とくに今日、3月11日という日には。 

 

3月11日、あの日から10年たちました。 千年に一度のプレート境界型地震により想像を絶する被害が出ましたが、その中で数十年単位の災害となってしまったのが原子力発電施設の爆発でした。 

 

この話すごく微妙なので原稿を数日寝かせて内容を見直してから公開します。 

 

今日は、ここまで。 

 

 

 

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