駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

絶対必須の鉱物名

理科の地学分野に関する直前の確認事項です。 岩石の名前まではしっかりと覚えたと思いますが、鉱物についてはどこまで勉強しておけば良いのでしょう? 昨年と一昨年の入試問題を検索してみました。 絶対必須の鉱物名はセキエイ(石英)で、あとはチョウセキとクロウンモを確認しておけば充分です。

 

セキエイ(石英)は透明な無色鉱物、白っぽい火成岩や白っぽい火山灰(代表例は桜島のシラス)に多く含まれている。マグマの粘り気を強くする。冷えて固まった後の特徴としては風化に強いこと、鉱物の中では比較的軽いこと。 

透明な鉱物はもうひとつ、チョウセキ(長石)を覚えておきましょう。

それら2つを含む代表的な岩石が、深成岩のカコウ岩です。 そのカコウ岩に含まれる黒い鉱物はクロウンモ(黒雲母)です。

 

堆積岩や火成岩(その深成岩と火山岩)に関する知識が勉強済みという前提ですが、岩石を構成する粒である鉱物に関しては、上記の内容を覚えておけば、まぁ大丈夫です。

 

大丈夫と言い切るために直近の2年の有名校からの出題を調べてみました。 鉱物に関する入試問題は次のような出題がされています。

2020年度:麻布中学:大問4
月面との比較で岩石の風化に関する問題。花こう岩の風化でコアストーンという構造体が出来る原因として「風化に強い石英」という説明が有ります。鉱物の知識そのものを問う設問は有りませんでした。 ちなみに、枝番の最後の設問は麻布中学のある地形を知っていると即答できる問題でした。

 

2020年度:海城中学:第1回の大問4
校内の各所で採取したサンプルの顕微鏡写真を比較して、校内のどこのサンプルかを考察させる問題。 その中に、鉱物粒子を見分ける実験方法を考えさせる記述問題、無色透明な粒子は「鉄、石英、ダイヤモンド、食塩」のどれかという選択問題、画像から粒子の大きさを測定する方法に関する考察をさせる記述問題など、手ごたえのある大問です。

 

2019年度:早大学院:大問3
L字形に崖を削り取った露頭の地層を使った問題の中に、岩石の顕微鏡写真に粒の大きなセキエイ、クロウンモ、チョウセキが見られることから岩石の名前を判断する選択問題があります。

 

2019年:世田谷学園:第1次:大問4
サンプル採取地点に標高差のある地質柱状図の問題の最後、問6で2つの凝灰岩層に含まれる「粒が小さく透明な鉱物」の量の違いから火山からの距離や鉱物の名称を選ばせる選択問題がありました。「セキエイは比較的軽い」という知識が無いと正解できない問題でした。

 

鉱物の知識を問う入試問題の例として、2019年度の共立女子から大問1を紹介します。

 

【問題】

次の文章を読み,後の各問いに答えなさい。

約3万年前,現在の鹿児島県にある火山で超巨大噴火が起こり,姶良カルデラという
直径20kmにおよぶ巨大なくぼ地が形成されました。この大噴火の際の A火砕流 (火山灰や火山ガスなどが混ざった火山噴出物が斜面を流れ下る現象)によって,鹿児島県と宮崎県にまたがる広い範囲で B白い土の層 が形成されました。

 

(1) 下線部A「火砕流」について,火砕流を伴うような激しい噴火を起こす火山の例として最もふさわしいものはどれですか。次からlつ選び,記号で答えなさい。
 ア.キラウエア火山
 イ.三原山
 ウ.昭和新山
 エ.富士山

(2) 下線部B「白い土の層」について,
 ① 九州南部に広がる白い土の層をシラスといいます。

  この層に含まれる成分のうち代表的なものはどれですか。
  次から 2つ選び 記号で書きなさい。
 ア.チョウ石
 イ.黒ウンモ
 ウ.カンラン石
 エ.セキエイ
 オ.キ石
 ② 火山灰がたい積してできた岩石を何といいますか。

 

(3) は地層の図に関しての出題でしたが、省略します。

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【解説】

(1) これは基本知識ですね。

 火砕流を起こすような火山は「白」です。 キラウエア火山は黒色のサラサラ溶岩。 富士山や三原山は中間の成層火山です。

 答えは  ウ.昭和新山  

 

(2) ① 白い色から

 答えは  ア.チョウ石 エ.セキエイ 

 

(2) ② 答えは  ギョウカイ岩(凝灰岩) 

 

 

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