東京都の特措法施行令第11条に基づく休業要請の一覧表を見ると、家庭教師とオンライン授業は「対象外」です。 これは嬉しいかも。
公式発表へのリンクを貼ります。
東京都の特措法施行令第11条に基づく休業要請の一覧表
(現時点でのリンクですので、リンク切れになったら失礼。)
PDF資料(上と同じ内容だと思います。)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/679/2020041303.pdf
『大学・学習塾等』の区分を見ると、家庭教師とオンライン授業は「対象外」です。
学習塾に関しては、広さにより扱いが変わります。
【床面積の合計が1,000平方メートル超の施設】
施設の使用停止及び催物の開催の停止を要請(=休業要請)
【床面積の合計が1,000平方メートル以下の施設】
施設の使用停止及び催物の開催の停止について協力を依頼。ただし、100平方メートル以下の施設については、営業を継続する場合にあっては、適切な感染防止対策の徹底を依頼
要するに「集・近・閉」を避けなさい、ということですね。
【家庭教師について】
家庭教師は対象外ではありますが、感染防止には十分に気を付けたいです。
私の場合、移動中にマスクはしません。訪問先に到着して手のアルコール消毒をした後に、新品のマスクを装着して授業に臨みます。
マスクは自分自身の防御にはほぼ役に立たず、自分が感染者であった場合にセキなどの飛沫で他人にうつす危険性を減らすためのものです。
時節柄、窓を少し開けて風が吹き抜ける車内で、咳きこんでもおらず大声で喋るわけでも無いマスク非装着者が他人にうつす危険性は低いです。 生徒の自宅に持ち込むマスクをわざわざ汚染の可能性にさらしたくないですから、車内では装着しません。
電車の中ではマスク信者の視線が痛いですが、2020/2/28の日記で書いた小型の消毒用アルコールのスプレーで手をこすると納得するのか視線を外す人が多いように感じます。
指導を終えての電車の中ではそのままマスク着用で帰ります。 途中では使用済みのマスクを安全に捨てる場所が無いですし。 帰宅したらマスクの紐部分だけをつまんで取り外し、ブリーチを希釈した消毒スプレーを吹きかけて密閉できるゴミ袋にポイです。
【一対一の対面と遠隔の比較】
4月10日の記事では「一対一の家庭教師にはちょっと向いてないかな。」と書きました。
Zoomによる授業:中間報告 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
この用途では対面授業と遠隔授業の間で情報量が違いすぎると感じていましたので。
一対一で行う指導の場合、生徒の視線の動き、鉛筆の動き、声を出さない独り言の唇の動きまで、あらゆる情報が指導のヒントになります。
Web経由の遠隔授業で得られるのは相手の表情と音声だけ。 Zoomにはホワイトボードという手書きの画面を共有する仕組みは有りますが、生徒の鉛筆の動きまでは見えません。
しかし、Zoomの多人数が参加できる機能を使えば、多額の追加投資をせずに手元の動きを互いに見ることが可能です。
それは中古のスマートフォンを一台買って、それで手元を写すこと。
生徒と先生がそれぞれ2台のカメラを使って、表情と手元の画像それぞれを一人の参加者としてZoomの会議室に参加させる訳です。 どの映像を自分の画面のメインで出すかは、自由に切り替えられます。 これで相手の表情を見たり、鉛筆の手元を見たりすることが可能になります。
中古のスマートフォンは数千円から見つかります。
<自宅に無線LANが有る場合>
追加のスマートフォンはWiFi接続でネットにつなげられる機種なら使えます。どのキャリヤの端末でも良いですし、それこそ「黒ロム機」でも使えることになります。
<自宅に無線LANが無い場合>
UQモバイルなどの「通話無しネット接続のみ」のプランを選べば月額千円程度で利用できます。 この場合「白ロム機」か「赤ロム機」を買う必要が出ます。
★黒ロム機、白ロム機、赤ロム機については長くなるので省略★
Zoom上の画像の追加でかなり改善はされますが、やはり回線ごしでは空気感までは伝わらず、家庭教師が要請対象外であるというのは私としてはとても嬉しいです。
【学習塾のオンライン授業について】
インターエデュの各大手塾関連の掲示板を見ると、動画垂れ流しだけではなくオンライン授業を早く実現して欲しいとか、本社に電話して要望を伝えたという書き込みが多く目に付きます。
早期の実現は可能でしょうか。
<<以下の記述は特定の学習塾に対する攻撃では有りません。 事実の列挙とそこから導き出される予想です。>>
大手学習塾においては、早期の導入は難しいと考えます。
最大の理由は、先生用の端末を始めとした機材が揃えられないからです。
iPadなどのタブレットを使えばカメラもマイクロフォンも内蔵されていますが、たとえば校舎が50あったとして、仮に1校舎あたり10クラスが同時並行的に授業をするとすれば、最低でも500台を調達する必要があります。
実際にタブレットを使って一対多の授業をやってみると、先生役が使うタブレットは1台では足りません。 黒板をロングショットで写しておく1台と、生徒の管理に使う1台の最低2台は欲しく、とすると一気に調達する必要数は1000台にもなります。
デスクトップ・パソコンの広い画面を使えるなら、授業の運用面では1台で可能ですが、パソコンにカメラが内蔵されていなければWebカメラが数百台必要になります。
タブレットの場合もパソコンの場合も生徒との音声でのやりとりを織り込もうとしたらヘッドセット(ヘッドフォンにマイクがついたもの)が必須になります。
Webカメラやヘッドセット、店頭から姿を消しています。 理由のひとつは在宅勤務の急激な導入、そしてもうひとつは「Made in China」であるが故の入荷の遅れです。
TEDで使っているようなクールなヘッドセットが欲しくて近所の販売店を廻ってみたのですが、全ての店舗でシンプルなタイプは品切れで、在庫が残っているのはド派手な蛍光色やLEDがピカピカ光るゲーム用のヘッドセットだけでした。 機能的には充分使えるのですが、仮面ライダーゼロワンのヒューマギアが授業しているような絵になってしまうので買うのをやめました。
タブレットにしろパソコンにしろ、大手学習塾で導入しようとしたら先生の大部分はZoom未経験者であり詳細な操作マニュアルと教育が必須になるはずで、しかも数百台の端末に初期設定を行うことも考えると・・・
オンライン授業に用いる端末は一つの機種に統一しないと、システム担当部署の運営の手間がたいへんなことになるはずです。
必要な機材を入手し、セキュリティの設計と検証をし、模擬授業を実施して授業手順を確定し、初心者でもわかる操作マニュアルを先生と生徒用に作成し、先生への教育研修と生徒へのオリエンテーションと練習を実施し、ここまでやってようやく授業開始。
ある程度まで試行錯誤が許容される小規模塾と違って、大規模進学塾での早期導入は難しいと私は考えます。
とここまで原稿を書いていたら、Zoomというアカウントから「ホスティング:1、2、3...同様に簡単」というタイトルのメールが来ました。
HTMLメールでした。 私しゃ旧い人間なんでHTMLメールは好きくないっす。 こういう画像が挟まっていてもジャマって感じるだけ。
Zoomは、たしかに単純に会議を始めるだけなら簡単です。 でもセキュリティの観点からは、デフォルト設定のまま使うのはちょっとなぁ、と感じています。
「一対多の固定メンバーによる学習指導」と、「Web自習室」について設定の方法をまとめようとしています。