Zoomを使ってWeb自習室を運用した場合の設定例を紹介します。 各生徒の学習状況を画面から確認するだけではなく、特定の一人とだけ会話をしたり、集中力を途切らせないように画面へ字幕を出すことで指示するのも可能です。
先生の使う端末として最低で2台以上が必要です。
学校も学習塾も休講になり、保護者様も在宅勤務で、ずうっと家に居て顔を突き合わせているストレス、あちこちで悲鳴が上がっています。
テレワークのかたわら横目で我が子の様子をうかがうと、ちょっとやってはダラダラ、気分転換と称してゲームを始めれば1時間以上、注意すればふてくされる。
来年度の入試は予想ができません。 学校としては優秀な生徒を是非とも確保したい訳で、まさかとは思いますが感染が一段落した秋頃に学校説明会と『受験体験会』を実施して、万が一次の冬に第二次感染が大規模に起こり2月の受験が出来なくなったら『受験体験会』の成績で、とか、・・・まさか、ね。
いずれにせよ受験学年の天王山は「今」です。
今年の天王山が「今」だと気付いていますか? - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
保護者様の精神的な負担を減らし、頑張っている同年代の姿が画面に並ぶのを見て生徒本人もモチベーションを高められるWeb自習室、Zoomの設定を工夫すれば特定の一人と先生だけが会話をしたりできます。 今日はそれを実現する方法です。
イラスト(フリー素材)出展:かわいいフリー素材集 いらすとや
まず最初に共通の注意事項
セキュリティの設定や使いこなしのポイントなど、全般的に共通になるポイント。 (随時、更新しています。)
昨日の記事で書いた「一対多の授業を複数端末で運用する」という環境が作れていれば、運用を少し変えるだけで個別の質問対応が可能なWeb自習室が実現できます。
【生徒側の画像】
各家庭で生徒を写す端末はすこし距離を離して手元まで画面に入れさせましょう。 何を書いているかという文字までは見えないが鉛筆が動いていることは判る、という距離と角度が良いです。 生徒側で自分がどんな画像を送っているかはZoomの機能で簡単に確認できますが、先生は個人情報が漏れないように画像の範囲などについてアドバイスをすると良いですね。
以下、シンプルに箇条書きで行きます。
【会議室を2つ設置】
Zoomミーティングに会議室を2つ設置する
(Zoomでの呼び名は「ブレークアウトルーム」)
一つは自習室(音声禁止)、そしてもう一つは質問部屋
【自習中、音声は使わない】
開始時点では全員が自習室に入り、音声は全員ミュート、画像はオン
基本的に質問対応以外では音声は使いませんのでヘッドホンは不要です
むしろ一斉緊急連絡の要を考えるとスピーカー出力が望ましいです
【質問への応答の方法】
質問が有る生徒はZoomの機能で挙手をする
先生がその生徒を質問部屋に移動させ、対応用端末から自分も入室する
質問部屋では映像と音声を使った会話が自由にできる
質問対応の間も自習室画面では常に全員のギャラリービューを表示しておく
【平等な質問機会の確保】
簡単な対応はその場で完了
対応に時間がかかる場合、いったん自習室に戻ってもらう
質問の受け付けを優先することで内気な生徒が気後れしないようにする
【事後の質問への回答】
回答の準備が出来たら個人宛の呼び出しを字幕で表示させる
(「字幕」のZoomでの呼び名は「サブタイトル」)
全員の画面に呼び出しの文字は見えるが、音声で無いので邪魔にはならない
生徒の区切りが良いところで挙手してもらい、質問部屋に移動して解説実施
【自習中の連絡は字幕】
字幕の履歴は「フルトランスクリプト」という機能で表示可能
緊急でない連絡は字幕で、急ぎの連絡は音声アナウンスで実施
連絡手段の使い分けにより生徒の集中を守る
【秘密の連絡はチャット機能で】
ある生徒だけに連絡が必要な場合はチャット機能を使う
チャット:個人対個人で文字による遣り取りをする機能
【演習した課題の確認】
演習を終えた課題をカメラにかざさせての確認は、
自習室に移動して行えば他の生徒に見えない形で可能
いかがでしょう?
掲示板などの書き込みを見ると、Zoomを用いた早稲田アカデミーの遠隔授業は一部の例外を除いて大好評なようです。
講師の力量が教室での授業以上に赤裸々に見えるので、一部には退塾の決意を固めたという書き込みもありますが、むしろ塾業界の健全な発展のためには良いことだと思います。
Zoomを使った遠隔授業は更に質を上げられること、使い方の工夫で自宅を緊張感のある自習室にも出来ることなどを一連の投稿で記事にして来ました。
なにぶん、私が初めてZoomという仕組みに触れてから10日程しか経っていませんので、改善したり追記したくなる情報も出て来ると思いますが、一連の投稿はこれにていったん終了します。
頑張っている全ての受験生とその保護者様に幸あれ!