駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

割合が苦手な子への処方箋

読者になっているブログの記事にきっかけを頂いたので、算数の単元<割合>に苦手意識を持ってしまった生徒への対応として工夫して来たことをまとめてみました。 割合は「数えるための数」から「比べるための数」への大きなステップなので、つまづく子が多いです。 

 

生徒がつまづく理由は十人十色ですから、処方箋も生徒ごとに異なります。 相談を受けて、質問をして、解いている様子を見て、・・・つまづいている原因を発見した瞬間って講師冥利に尽きます。 私にとって生徒こそ最高の「先生」です。 当然、処方箋も新しい生徒に会うたびに追加されますので、以下は現時点までのメモです。 

 

今回の記事のきっかけになったブログ。 (感謝)

kiratto-life.hateblo.jp

【例題】

20センチの人参の6/4倍の長さの大根があります。何センチですか?

【症状】

どちらをどちらの数で割るか判らなくなる。 塾では「くもわ」への当てはめで教えてるみたいだけど身に付いてない。

【処方箋】

「くもわ」と略称で考えず、「くらべる量」「もとにする量」「わりあい」というフル呼称を使って、問題文のどれがどれなのか、演習を繰り返し、正解したらほめて、対応のデータベースを頭の中に作らせる。
 20センチ=もとにする量
 6/4倍 =わりあい
 何センチですか?=くらべる量
この見極めを繰り返し練習させて乗除の処理を間違えずに出来るようにさせ、まず正答率を上げることで「嫌い」という気持ちを無くさせる。

 

以下、経験して来た症例とそれらへの処方箋のご紹介です。

【症状】

6/4倍って何? わけわかんない。

【処方箋】

「わからせる」ための説明を省略するのはだめだと思いますが、一回説明してわからなかったら計算の方法を丸覚えさせてしまって良いと私は考えます。

  『6/4倍というのは、6倍して4で割ること、先に4で割ってから6を掛けても良いよ。

 

「割り算と分数が同じ」という感覚は、大人には常識でも子供には新しい知識です。 なぜなら、中1の「文字式の変形」で徹底的に演習を繰り返した結果として身に付くものなので。 「わかる」というのは中1になってからで良いです。 先に「解ける」を身に付けてしまって何か困ることが起きるでしょうか。 

 

【例題】

定員40人のバスに乗客率150%でした。何人乗っていますか?

(メモ:定員40人のバスだと1パーセントが0.4人になってしまうので、定員400人の客船にした方が良いです。 それと1を越える割合の問題は難度が高いですから導入時期には150%でなく75%が良いです。)

【症状】

150%って何? わけわかんない。

【処方箋】

割合の導入授業で、表し方をおざなりに扱ってしまう講師がけっこう居ます。 

抜けが残っていないかの確認を一回しておきましょう。

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確認その1:

小数、分数、百分率(パーセント)、歩合(割分厘)の表に数字を埋めさせましょう。

確認その2:

10列×10行の100マスを生徒自身に書かせます。

質問「定員400人の客船で、1パーセントに当たるのは何人?」

質問「じゃぁ、15パーセントは何人?」

かなりの生徒が、たったこれだけの作業で百分率を使えるようになりました。 

komazawajuku.hatenablog.com

 

【症状】

線分図って何? 丸数字の4って何? わけわかんない。

【処方箋】

2つの新知識が複合して生徒を混乱させています。

ひとつは「数字を長さで表す」という処理。 「長さを物差しで測って数字にする」という作業の裏返しなのですが、ここでとまどってしまう子も多いです。 線分図を書かせた際に「先生、何センチにすれば良いですか?」と質問されて「線分図は何センチでも良いんだよ。」と返答したときの生徒の表情を見て気付きました。 

 

もう一つは大人にとっては常識の「丸数字の4(=抽象的な比を表す数字)」がいきなり登場していること。 

四谷大塚の予習シリーズだと小4で使われていたムカデ図まで戻って、丸数字の4というのは線の区切りの個数のことなんだよと説明すると、なぁんだという顔になる生徒が多いです。

komazawajuku.hatenablog.com

 

小5の春の段階ではここまでの症状への対応が取れていれば大丈夫だと思います。

ただし、小5の後半になって「比」を使うようになるとスピードを伴った処理が必要になりますので、難関校以上を狙うなら身に付けておいた方が有利になる事柄が有ります。 

 

たとえば「くもわ」

「くもわ」のテントウ虫が瞬時に念頭に浮かぶようになっていると、3つの数字の位置関係に含まれた「比例・反比例」が「早く、楽に、正確に」答えを出す手助けになります。

「問題を解くためのあてはめ」 いわば公式として「くもわ」を覚えさせるのは大反対ですが、「くもわ」そのものは覚えておいて損はありません。 同様のことを「きはじ」の件で記事にしました。

komazawajuku.hatenablog.com

 

もうひとつは「分数」をつきつめること。

・分数とは数字である

・分数とは除算である

・分数とは単位の無い数である

・分数とは抽象化された数学の世界への入り口である

komazawajuku.hatenablog.com

算数の上位生は例外なく分数の処理がみごとです。

そのあたりの話については タイトル=「ミスを減らすためには:」 × カテゴリー=「算数・数の性質」 で書いて行くつもりです。 

2021/03/08 追記:書きました。

ミスを減らすためには:分数と除算 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科

 

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