駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

予習主義と復習主義:補足、特に四谷大塚について

3月9日の記事『予習主義と復習主義について』にコメントを頂戴しました。 本日はそれへの返信として記事を書きました。 

 

頂戴したコメントそのものは公開の許諾が無いので非公開のままにしてあります。

要旨は「算数の予習シリーズを使った予習する学習方法はよくないのか?」ということでした。

3月9日の記事を読み返してみると両論併記で注意事項ばかり列挙したせいで、文章が長過ぎ、かつ論旨不明瞭になっていました。

ごめんなさい。

 

私は予習主義と復習主義のどちらか「だけ」が正解であるとは考えていません。

 

残念なことにブログやインターエデュへの投稿には四谷大塚の予習主義に対する否定的な意見が見られますが、それに対しては3月9日の投稿の中で 『掲示板の投稿の中の批判的な意見の大部分は、視点が不明確なままで予習を実施してしまい、その結果として不具合が生じた経験(不満)を個人の主観で書いたものでした。』 と、明確に否定しています。

 

3月9日の記事が予習主義に対して否定的に見える原因のひとつは「注意点だけ」を中心に列挙したことだと思いますが、コメントにて四谷大塚における状況を教えて頂きました。

 

《算数について》

3月9日の記事では『予習は目的を明確にして到達レベルも限定して実施すべき』と書きました。

コメントで教えて頂いた状況は以下の内容で、これなら安心だと思います。

☆クラス毎に予習で取り組む問題の指示が有る。

☆対象の範囲を知り、不明点をはっきりさせて授業に臨む。

 

《理科(社会も)について》

3月9日の記事では『私自身も復習主義の塾で理科の講師をしている時、必要な場合には予習(予習シリーズの音読)を推奨した。』と書きました。 

四谷大塚でも『テキストを読むように言われる』そうです。

私と同じ指示が出されていることがわかり、嬉しく思いました。

 

《予習主義の塾における「復習」》

頂戴したコメントで四谷大塚のカリキュラムの流れにおける復習の姿を細かに教えて頂きました。 

3月9日の投稿では両主義の比較とそれぞれへの注意点だけで文字数が多くなってしまったので、四谷大塚の復習の仕組みについては書きませんでした。 

改めて小5の算数についてまとめてみました。 授業後の復習の仕組みには3個のスパイラル(繰り返しのループ)があると考えます。

 

第一スパイラル:授業と直後の演習

演習問題集の反復問題(基本)と反復問題(練習)は予習シリーズの数字替え問題になっていますので、授業直後に指導を受け取れたかという確認に使えます。 問題集には続けて基本問題、練習問題、応用問題という難易度別に3段階の問題が並んでいて、問題への対応能力を拡げる演習に使えます。

これとは別に基本演習問題集という良く似たタイトルの副教材が有りますが内容はまったく別物で、例題(解説付き)とそれに対応したトレーニング問題が単元ごとに4セット(4ページ)収録されています。 この冊子、難し過ぎず、かつ基本を学ぶことが出来るので算数が苦手な生徒に最適なテキストだと思います。

 

第二スパイラル:週ごとの復習

週末のテストはレベル順にABCSの4種類があり、生徒は自分のレベルに応じたテストで習得度を確認できます。 出題のメインはその週に学んだ単元ですが、前の週の単元からも出ますので過去の単元の見直しも必要です。

週末のテストで習得レベルが不安だった場合、予習シリーズには練習問題の後ろに一つ前の単元の復習問題が有りますので利用できます。 

 

第三スパイラル:月ごとの復習

5週ごとに「総合回」という名前の回が有り、4回分の単元の復習回になっています。 総合回のテストは全クラス共通で、外部生も受験できる公開テストです。 そして組分けテストとして次の組分けテストまでの参加クラス(A・B・C・S)がこれで決まります。 こちらも出題のメインは直前の4回で学んだ単元ですが、以前の単元からも出ますので過去の単元の見直しも必要です。

総合回のテストを復習に用いる場合に役立つのは、分析資料に載っている問題ごとの正答率です。 模試の解き直しについて書いたものですが、理由は以下の記事に書きました。

komazawajuku.hatenablog.com

 

四谷大塚の導入回の授業に対する復習のスパイラルは以上のような仕組みですが、受験準備全体で見れば更に大きなスパイラルとして「四科のまとめ・算数」や小6下巻の各種テキストや週末テストなどで何重もの復習の仕組みが構築されています。 

 

結局、3月9日の投稿で扱った予習主義と復習主義とは「授業前と授業」のデザインをどうするかという部分的な方法論の比較であった訳です。 そのあたりをきちんと明確にして書くべきだったと反省しています。

 

四谷大塚に関してはコメントで指導内容の実際の姿を教えていただき、しっかりしたデザインで運営されているという事がわかりました。 コメントの投稿をありがとうございました。

 

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