駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

予習シリーズ計算6年下 の変更点

「予習シリーズ算数 計算 6年 下」の改訂版がリリースされました。
一昨年から始まった予習シリーズの全面改訂が6年下巻に到達しました。
ざっとめくって見ましたが、収録された問題に変更点は無いようです。
変わったのは表紙と各ページの日付表示だけでした。

 

四谷大塚の予習シリーズ全面改訂では、どの科目もかなりの難化をしています。
算数の「予習シリーズ 計算 6年 下」も難しくなるのでは?と心配していました。
その意味では変更点が表紙と各ページの日付表示だけというのは安心しました。
ぱらぱらとページをめくった範囲で収録された問題はまったく同一でした。
上巻は内容が大きく変わっていました。

 

【各ページの日付表示】
旧版ではページに9月1日から1月31日までの日付が印刷されていました。
それが新版では日付を自分で書き込むスタイルに変更されました。
旧版のあらかじめ日付が印刷されたスタイルって好きだったんだけどなぁ。

 

【収録された問題の難度】

各ページには8題が収録されています。
基本的な計算問題が3題
基本的な一行問題が3題
<チャレンジ問題>と書かれた区切り線が有り、その下に
応用的な計算問題が1題
応用的な一行問題が1題
という構成です。
生徒の学力に応じて上の6題だけとか、8題全部とか分かりやすく指示できます。

 

私がして来た指示は、こんな感じです。
⭐︎ 四谷大塚の80%偏差値40台の学校が目標なら上側の6題
⭐︎ 80%偏差値50台の学校が目標ならチャレンジ問題も含めて8題
これを9月1日から1月31日までの153日間やり通させます。

 

他の記事でも書いていますが四谷大塚の予習シリーズは大幅に難化しています。
どの科目も難しい問題が増えた分、基礎的な部分が削減されています。
実際、四谷大塚の算数副教材では以下の3冊が姿を消しました。

・基本演習問題集 5年上
・基本演習問題集 5年下
・基礎力完成問題集 6年上

80%偏差値40の学校が目標の生徒に「これを仕上げれば大丈夫」という副教材が姿を消してしまい困っています。とても困っています。

 

日能研の一行計算問題集】

ちなみに80%偏差値60台の学校が目標の場合、この教材はやや役者不足です。
上の方の6題は簡単すぎますし、計算問題で使えるのはチャレンジの1題だけです。

そのクラスの計算練習に日能研の「マスター1095題一行計算問題集 6年」は割とおすすめです。
簡単な計算問題も多いですがチャレンジレベルの問題もかなり混じっているので。

 

 

【不満点:正解しか載っていない】

四谷大塚も、日能研も「正解」しか載っていません。
6年生の下期に計算問題を演習する意味を考えると、これはちょっと疑問です。
四谷大塚の場合、文章題には解説がついています)

 

計算問題を演習する目的とは何でしょうか。
成績上位の生徒にとって演習の目的はスピードと正確性の向上ですね。
ですから、正解が有って丸バツが付けられればOKと言えます。

 

ですが、まだ計算の工夫が充分に身に付けられていない生徒にとっては正解が載っているだけでは役に立ちません。
どのような工夫が有るのか、どのような途中式を書けば良いのか、そういった事を具体的な例で見せてくれる「お手本」が必要だと考えます。

 

という訳で、予習シリーズ計算6年下の(1)から(3)に対して、何年か前に手書き資料を作りました。
解き方は、泥臭くても「着実に正解を出せる」ことを重視しました。
こんな感じです。

 

この手書き解説を 153 × 3 = 459 題の全てに対して作ってあります。
生徒が解いた跡を見て必要な場合にはこれを書き写させます。
漢字の習得に書き取りがあるように、計算法の習得も筆写が有効です。
入試の本番で楽をするために、しっかりと計算の工夫を身に付けさせましょう。

 

今回の改訂で、この459題分の教材が無駄にならなかった。
それはちょっと嬉しいかも。

 

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