駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

模試の解き直しは正答率を見てから

模試や組分けテストの解き直しは、ごく一部の生徒を除いて全部の問題をやっては駄目です。

なぜなら、それらの試験は生徒の成績ができるだけ正規分布になるように難易度の構成を調整しており、0点の生徒も出ず、100点の生徒も出ないように問題を作っているので、異常に難しい問題が混じっている場合が多いからです。

 

模試や組分けテスト後の算数に関する質問で、最後の方の大問の『地獄のような場合分け作業を要求する問題』の解き方を尋ねられた場合、最上位生でなければ解説を断る場合がけっこうあります。

「これ、前から言っている解かなくて良い問題だよ。

 そこまでの問題が全部解けて、見直しも完璧に終えて、

 まだ時間が余ってる受験生が、あとひとつ丸を取るための問題だよ。

 これの解き方を覚えるより、前の方の間違えをきっちり解き直ししなさい。」

 

これで引っ込んでくれるなら一段落なのですが、「お母さんが全部しっかり解き直ししなさいって言ってた。」と粘る生徒も居たりします。 私の対応パターンは2つ。 なんらかの事情で大問すべての手書き解説を作る予定の有る場合と、予定の無い場合で分かれます・・・が、誘導する先は同じ。

パターン1: 来週までに大問9を含めた手書き解説を作るので、それを見てね。 で、分からないところが手書きの中にあったら質問に来てね。 質問は大歓迎だから。

パターン2: 来週には正答率のデータが出るから、それを見て考えよう。 君の場合・・・正答率が25%以上だったら解き直ししても良いと思うから、また来てね。

おわかりと思いますが、どちらのパターンでも再度来ることは、ほぼ無いです。

 

 模試とか組分けテストを実施する目的を考えたら、全ての問題を解き直しする必要が無いということを納得できると思います。 しかし、驚くほど全問の解き直しをしようとする生徒が多いです。 効率的な学習をするためには、目標レベルに応じた解き直しだけをすべきです。

おおざっぱな目安として、正答率50%以上の問題をしっかり得点すれば偏差値50、 正答率25%以上の問題をしっかり得点すれば偏差値60、 正答率12%以上なら偏差値70に届くはず。 正答率50%以上は全員が解き直し必須、あとは目標とする偏差値でどこまでやるかを判断すべきで、正答率が1.2%などという問題をやらなければいけないのは、ごく一部の生徒です。

 

ところで、

7月8日の四谷大塚の第2回合不合判定テストは算数の問題が全般的に易しかったように感じます。 満点に近い生徒が続出するのではないかな? となると御三家・難関校クラスの順位はミスの有無で大きな影響を受けますので、学力の判定としてはブレの大きなデータになるかも。 もちろんミスをしないというのも大切な得点力ですが、どこまで解けるかを確認したい場合にはノイズになります。

なんでああいう難易度の構成にしたのだろう? 今年の開成の影響? 

 

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