質問のやり方といっても、個別や家庭教師などにおける一対一の場合と、集団授業の塾で講師に質問に行く場合では異なるように思えます。 しかし、基本とすべき姿勢はどちらも同じであると私は考えます。
そもそも、先生への質問とは何のためにするのでしょう? これは明らかですよね。 質問とは単に答えを得るためではなく、自分が解けるようになるためにするものです。
ところが、質問をする目的も理解してないのに、やれ、あの先生は教え方がうまいだの、私はまだ本気出してないだけだのと講釈を垂れる受験生のなんと多いことか。
実は質問のやり方というのは、指導する側が教えてあげなければいけない、教えてあげるべきものなのです。
私は生徒が質問に来たときに、以下のようなやり取りをすることが多いです。
その1: 自分で解こうとしてみた?
その2: 解説を読んでみた?
その3: 解説のどこから分からなくなったか、印をつけてみて。
それぞれの段階で、もし生徒が「やっていません」と答えたら、それじゃぁやって来て、それからまた来てと伝えて戻ってもらいます。
このやり取りで生徒に伝いたいことは「出来るところまで自分でやって、出来ないところだけについて先生を頼りなさい。」というメッセージです。
そしてこういう動きを生徒側が出来るようになると、たとえ一対多の塾での先生への質問でも、個別や家庭教師に近い効果を引き出せるはずです。 逆に言えば、個別や家庭教師の一対一で対応するメリットと言うのは、生徒の「これが分かれば解けるようになる」というポイントを「指導する側が」抽出してくれるというところに有るのかもしれません。 主体となって動くのがどちら側かという違いだけで、質問をするということの本質は同じだと思います。
質問をする側が「何が必要か」を明確に示すというのが今回の話ですが、質問をされる側が「それは本当に生徒が必要としていることなのか」を全力を挙げて考えるというのが2018/07/12に書いたこの話題でした。
質問への対応法について、ちょっと蛇足。
集団塾の中には、授業後に先生の前に列を作って順番にひとり一問という形式で質問への対応をしている所があるようですが、列で待っている時間に何をさせているのか気になります。
私は質問者の数が多い場合、ホワイトボードに名前リストを書いていました。 順番が来るまでは自習。 そこで私語したら、即座にリストの末尾に変更。 上に挙げたルールをその3まで守っていなかったら、これまたリスト末尾に繰り下げ。 これを続けて行くと、質問の場そのものが勉強法の指導になり、効果が目に見えて出て来ます。