駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

自転車に関する入試問題

自転車と言うのは、てこ、輪軸、歯車などのメカのかたまりですから、中学入試の理科・物理・力学の分野ではとても良く出題される問題です。 基本はすべて正比例・反比例の関係になりますので、問題の図に慣れて、登場する名前とその比例関係を覚えてしまうのが重要です。 過去問の例として女子学院の2009年(平成21年)の大問4 をとりあげました。

 

【問題】

乾電池とモーターと半径の異なるいくつかの軽いプーリーを利用して、図1のようなおもちゃの車を作った。 モーターは1分間に常に100回転するように調整されている。 また、車輪の周の長さは 23cm である。

1 モーターの回転軸に取り付けるプーリーをA、車輪に取り付けるプーリーをBとする。

(1) モーターが図2の向きに回転すると車はどの向きに進むか、図1のア、イから選びなさい。

(2) Bが1分間に20回転するとき、Bの半径はAの半径の何倍ですか。

(3) 下のア~ウのようにプーリーの組み合わせを変えた。 最も速く車が進むのはどれですか。

(4) (3)のアを用いると、車は1分間に何m進みますか。 小数第2位を四捨五入して答えなさい。

(5) この車を逆向きに進ませるためにはどのようにすればよいか、次のア~エから選びなさい。

   ア Bを取り外し、別の車輪に取り付ける。

   イ 乾電池のプラスとマイナスをはじめと逆にする。

   ウ 輪ゴムを二重にしてAとBにかける。

   エ 輪ゴムをねじって交差させてAとBにかける。

 

2 [省略します。 プーリーに取り付けられたハンドルの長さを変えたときの力の大きさ。 車輪に取り付けたプーリーの直径を変えたときの力の大きさ。 モーターに取り付けたプーリーの直径を変えたときの力の大きさ。 の3問です。]

 

3 図4のような、ペダルに取り付けられた歯車と後輪に取り付けられた歯車にかけるチェーンの位置を変えられる自転車がある。 ①、②の場合、チェーンはどのようにかければよいか、ア~エから選びなさい。

 ① 足の力の弱い人が急な坂道をのぼる。

 ② 足の力が強い人が平たんな道をできるだけ速く走る。

f:id:komazawajuku:20180720010047j:plain

 

【解説】

1 おもちゃの車

(1) 車の進む向き。   ア  

(2) AとBのプーリーはベルトでつながれているので、一定時間に2つのプーリーの周が動く長さは同じです。 これを式にすると

 Aの半径 × 2 × 3.14 × 100回転 = Bの半径 × 2 × 3.14 × 20回転

従って、半径と回転数は反比例ですから、Aの半径:Bの半径は 1:5 です。

よって、Bの半径はAの半径の  5倍  

(3) 最速のプーリーの組み合わせ。 

モーター(プーリーA)は常に100回転ですから、車輪のプーリーBをなるべく多く回せれば車の速度は速くなります。 プーリーの半径と回転数は反比例ですからAは大きい方が良く、Bは小さい方が良いです。  よって  イ  

(4) 車輪の円周が23cmと与えられていますから、車輪が1分間に何回転するか分かれば進む距離が計算できます。 Aの半径:Bの半径が 1:3 ですから、車輪の回転数はモーターの回転数の3分の1です。 よって

  0.23 × 100 ÷ 3 = 7.6666・・・  よって  7.7m  

(5) 2つのプーリーにベルトを8の字にかけるという方法の他に、モーターの回転する向きを変えるという方法があります。    イ、エ   (要完答、不順可)

 

3 自転車のギアの選び方

これは外装ギア付きの自転車に乗っている人なら常識・・・だと思っていました。

  ① 坂を登るとき  前=小  後=大  よって  ア  

  ② 速度を出すとき 前=大  後=小  よって  エ  

 

女子高とはいえ御三家の理科の問題の最後の設問が、これです。 意外に思って生徒に自転車のギアの選び方を質問してみたら、理科の上位生の男子ですら即答できる者が少なくて驚きました。

私が自転車好き過ぎ・・・なのかなぁ?

 

《ちょっと脱線》

幼稚園のときに買ってもらった補助輪付きの自転車の形をしたオモチャ(ソリッドタイヤ、フリー無し固定ハブ、ブレーキ無し)はともかくとして、小学生の何年間か乗っていたブリジストンのバンビ号は、あちこちを分解しては組み直して遊んでいました。 前後のロッド式のブレーキの動きがおもしろくって、ブレーキレバーを握っては放して部品の動きを見ているだけで時間を忘れた。 メカいじりに関する最初の教材でした。

中学校に入学した頃はリトラクタブルライトとか、流れるフラッシャーとか、ディスクブレーキなど豪華装備(笑)付きの自転車の時代でした。 でも、入学祝で買ってもらうときにカタログから選んだのは下から2番目に装備の簡単なモデルでした。 流れるフラッシャー付きのモデルには単一電池が8個必要という記載を見て、駄目だこりゃって思った記憶があります。 この自転車はその後、デュアルライトとダイナモを外し、フロントとリアのキャリアを外し、セミドロップのハンドルバーを軽合金のフラットバーハンドルに換装し、シートポストを長いものに換え、高3まで乗りました。

やばい、書き始めると止まらない。 途中省略、現在まで飛びます。

もちろん今も乗っています。 いろいろと、いじりながら。 4月と10月の関戸橋のフリーマーケットは天候不順もあって直近の何度かはご無沙汰していますが常連です。 格好良いロードバイクとかは持っていませんけれど、ショップブランドのクロスバイク多摩川を走るのが好きです。 定番コースは駒沢から万願寺の往復で60キロほど、まぁ、普通の自転車好きです。 最近の酷暑で走りに行けず、ストレス溜まってます。

《脱線、終了》

 

このブログはリンクフリーです
リンク(はてな用語で「言及」)に事前連絡は不要です
出典を示して頂けるならコピーペーストも自由にどうぞ。
って言うかリンクやツイートでgoogleの表示順が上がるので大歓迎