駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

テントウ虫の活用:理科・物理・電気

理科の計算単元が苦手な生徒』で<電気で覚えなければいけない比例関係>として 即答できるレベルまで生徒に覚えさせている A × B = C の関係が有ると書きました。今日はその5つの<テントウ虫>の話です。

 下のイメージは小6の春頃から知識の見直しの演習で生徒に使わせているチェックシートです。(縮小しているので少し画質が悪いかも?)

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例えば(1)の[電流]と[電圧]と[抵抗]でしたら

[抵抗]の単位は[Ω]  読みは[オーム]

反比例の関係にあるのは [電流]と[抵抗]

<テントウ虫>の記載は、上に[電圧]下の2つが不順可で[電流]と[抵抗]

比例関係が崩れるのはどんな場合?の欄に書くのは [無し] です。

 

(2)と(3)については解説を省略して良いですよね?

(4)についてはちょっと言い訳が必要かも。 豆電球の個数と言う不連続な量なので、ほんとうは正比例・反比例を使うのは間違いなのですが、そこは、まぁ、あれです。 見させたいのは上にある(3)の抵抗の太さ・長さとの類似性だったりします。

 

この表の中で唯一異色なのは(5)の電池の直列と並列。

反比例の関係にあるのはの欄に書くのは [無い]

<テントウ虫>は、[この3者では、作れない]

比例関係が崩れるのはどんな場合?の欄は [ 直列の個数と電圧だけが、正比例 ]

 このように書かせています。

 

理科の計算単元において、しくみを理解させるための導入授業と宿題の演習で A × B = C の関係を覚えられなかった生徒は「わからない」というセリフを口にするようになります。 これを「わからせる」ためには家庭教師もしくは1対1の個別教室(1対2では無理)で導入授業を頭からやり直すしかないのですが、授業直後に「わかった!」と言っていても一週間後には「わからない」モードに戻ります。(ほぼ、断言)

ならば<テントウ虫>という形に情報量を減らし(実は項目の配置そのものが計算式も比例関係も含んでいるので情報量は減っていない)、疑問点を解消するための説明と並行して「とにかく、これを覚えなさい。」と指示し、覚えるまで(そして受験寸前まで)フォローするのが「わからない」が頻発する生徒への良い対応方法だと考えます。

「電圧と電流と抵抗、反比例なのは何と何っ?」

「電熱線の問題。抵抗と太さと長さ、テントウ虫の上に来るのはどれ?」

このような感じで質問をして、即答できるまで繰り返して身に付けさせるのが私のやり方です。 

 

電気分野に限らず理科の計算単元は、ほとんどが A × B = C の関係を使う問題です。ただしいくつかのものには、この比例関係が崩れるところが発生します。 つまりそれぞれの<テントウ虫>と、その比例関係がどこで崩れるか、という2つが必須の知識であり解くための基本になるわけです。 問題の難易度が上がるにつれて比例関係の崩れの発見と処理が正解を出すための要点になりますし、正解率を下げるために出題者が工夫するポイントでもあります。

<化学>や<力学>単元などでの<テントウ虫>については、また改めて。

 

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