理科の計算問題は大部分が<比例関係>を使って解けます。 出題者が難度を上げたい場合、その比例関係がどこで「崩れるか」を考えさせる場合が多く見られます。 今日は金属の酸化に関する問題について、出題者がどのようなパターンで出題して来るか整理してみます。
比例関係を使う理科の問題に対して私は生徒に<テントウ虫>を覚えさせます。 単に覚えさせるのではなく、即答できるレベルまで求めます。
「電気が苦手? じゃ「電流」「電圧」「抵抗」で、テントウ虫の上に来るのは何?」 という質問に即答できない場合、覚えてからまたおいでと帰らせるという話を書きました。 komazawajuku.hatenablog.com
金属の酸化における比例関係は以下の式で表されます。
【未反応の金属の重さ】 × 【金属によって決まる一定の値】 = 【酸化物の重さ】
出題者がこの比例関係を崩す方法として代表的なものには以下のようなパターンがあります。
パターン1:不十分な酸化・ぴったりポイント有り
パターン2:不十分な酸化:ぴったりポイント無し
パターン3:不十分な酸化:生成重量から反応率を逆算
パターン4:混合金属粉の酸化
パターン1と2の「ぴったりポイント有り」と「無し」というのは単純な話です。
金属を空気中で加熱した場合、加熱時間を長くするに従って酸化反応が進んで重量が増えて行きます。 その重量増加の様子を受験生に読み取らせるデータ表で、難度が低い学校では反応が完了して重量が増えなくなる「ぴったりポイント」が表の中にしっかり書かれているのに対して、難度の高い問題では「ぴったりポイント」を書かないことで受験生に比例配分の計算をさせます。
表の中に「ぴったりポイント」が書かれているかどうかは、学校が受験生に求めているレベルの判定に使えます。 志望校の過去問を分析するときに参考にしてください。
パターン3:生成重量から反応率を逆算
パターン4:混合金属粉の酸化
このふたつは「割合の鶴亀算」を使って解く問題です。
手持ちの過去問から、適合する問題をさがして日を改めて書きます。
2018-12-17追記:パターン4に対して書きました。