駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

理科の弱点補強で今できること

小学校が休校や隔日授業などで時間的な余裕のできた期間に、理科の弱点対策に役立つ具体策をまとめてみました。 大幅に夏休みが短縮されそうな本年度、手間のかかる取り組みをするのは「今」です。 

 

理科の学習に関する基本は変わりません。

「総合的な理科の教材なら何でも良いです。一冊をやり切ってください。」

それこそ、「コアプラス」だろうと「四科のまとめ」だろうと「メモリーチェック」だろうと「マスターテキスト」だろうと「塾技100 理科」だろうと、何でも良いです。 ただし、次々に参考書を手に入れて、楽しいところだけつまみ食いするのは絶対に駄目、一冊を文字通り「やり切る」ことが重要です。

 

さて、その一冊をやり切るという作業の年間のデザインが今年は影響を受けます。 

平常な年ですと、基本的な知識を固め、そこに関連知識を紐付け、応用問題への対応力を上げるという手順ですが、今年は最初の「基本的な知識」が塾のカリキュラムで出きっていません。 そのため参考書を使った学習を進めようとすると、次のような問題が出て来ます。 

どちらも基礎となる基本知識に「抜け」が残っていることが原因です。

 1: 参考書の知識範囲が広すぎる。

 2: 計算単元などの理解して解く問題の基礎知識がまだ不足している。

 

【1: 参考書の知識範囲が広すぎる】

受験参考書は、受験に必要な知識が全部載っている本です。 来年の2月までに習得すべき知識ですから、今の段階で「仕上げ」をしようとすると当然オーバーワークになります。 

これに対する本年度の対策は二通りあります。 

一つ目は、「根性で仕上げ切ってしまうこと」。 今年の天王山は今と聞いて、これをやろうとしている保護者様がけっこういらっしゃるはずで、心配です。 一部の超理科好きな生徒以外、負担が大きすぎて、やっても成果は低いと思われます。 

それでは何をすれば良いか? まず思いつくのは「今の時点で出来る知識までに絞り込んで仕上げる」だと思います。 しかし、そう望んだとしても項目のひとつひとつについて要不要を仕分けるというのは、ベテランの理科の先生を除いて無理ですよね。 受験する予定の学校レベルから逆算して「君はこれは覚えなくても大丈夫」と断言する作業ですから、深い経験が無ければ無理です。

 

そこで対策の二つ目、今の時期に知識単元に関してお勧めする演習はこれです。

komazawajuku.hatenablog.com上の記事で『ここまでの手順を時間的な余裕のある夏期中に終わらせておきたいです。 』と書いている部分を夏期中ではなく今やってしまうわけです。 一冊全部をさーっと演習して、丸付けと赤ペンによる正解の書き込みまでを済ませてしまいましょう。 

夏期でなく今の時期ですから正解できる知識は少ないです。 不正解を叱ってはいけません。 今やる第一優先の目的は、入試まで育てて行く一冊に対して、余裕のある今の時期に「どこに何が書いてあるかのマップ」を頭の中に作ってしまうことです。 

もちろん知識の充実は入試本番の会場に向かう電車の中まで続くわけですが、一冊を通しての演習という時間のかかる作業(場所のマップ作り)を今のうちに済ませてしまうわけです。

 

【2: 理解して解く問題の基礎知識がまだ不足している】

これについては冒頭で挙げた各塾のテキストや市販本に不満な点があります。 それは知識単元と計算単元が混在していることと、計算単元の必須知識が一まとめに整理されていないことです。

知識単元と計算単元の分離に関しては、冒頭に挙げたテキストの中では早稲田アカデミーの内部教材「マスターテキスト」が、「知識編」「演習編Standard」「演習編Advance」などの分冊に分かれていますが、本年度の特別対応には直接関係していないので省略します。 

 

計算単元の必須知識に関しては、この記事をご覧下さい。

komazawajuku.hatenablog.comたとえば、『「電流」「電圧」「抵抗」、反比例になるのは何と何?』と尋ねられて、「電流と抵抗!」って即答できないレベルでは解けるわけが無いですよね。 

でも生徒は「電気がわからない。だから解けない。」と言います。 

英語で言えば単語や基本構文、国語で言えば漢字や熟語、算数で言えば流水算や売買損益で登場する用語や計算式を覚えていないくせに「わからない」とぬかす生徒に例えられます。 

上の記事では、まず必須の知識を覚えるべきと言っているわけです。

 

では今の時期に、そういった理科の計算式などを暗記してしまうために使える教材が有るのでしょうか。 

市販の参考書でも塾のカリキュラムでも計算単元の学習は演習をして個々の解き方を積み上げていく方式で、計算式に関しては解説の中で太字で強調されている程度です。 計算式だけをまとめて覚えさせるという方式は取っていません。 おそらく今年度の夏期の講習でも同様な「演習の積み重ねで解法を習得して行く」という進め方になると思われ、時間的な余裕が少ない中で相当な負担になるはずです。

その進め方自体はたぶん仕方が無いので、その時期の時間的な余裕を作るために知識単元の学習を進めておくことが意味を持つと考えます。

本音で言うと、時間的な余裕のある今の時期に計算式を暗記させておきたいのですけれど。 中学受験の理科に必要な計算式って、まとめてみるとシート一枚におさまります。 

 

 

 

以上、本年度の特殊性をかんがみて今の時期に理科に関してやっておきたいことをまとめてみました。 急いで取りまとめましたので不明な点もあると思います。 コメント欄でお問い合わせいただければ返答します。

 

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