駒澤塾:中学受験の算数・理科

中学受験の算数・理科を中心に書いて行きます。駒澤が旧字体なのは検索をしやすくするためです。

麻布中学2017年算数:大問4の(1)

<テントウ虫>の活用の例として 麻布中学の2017年(平成29年)の算数から大問4の(1)を取り上げてみました。 <旅人算・比の利用> <ダイヤグラムを使った状況の整理> <速さのテントウ虫・距離が一定>

 【問題】

ふだん、太一君は自宅から学校まで歩いて通っています。 今朝、太一君は自宅からある地点までは走り、残りは歩いて学校まで行くことにしました。 月曜日は、自宅から99mだけ走ったところ、ふだんより1分早く学校に着きました。 火曜日は、自宅から3分間だけ走ったところ、ふだんより8分早く学校に着きました。 太一君は毎日同じ時刻に出発し、走る速さと歩く速さはそれぞれ一定とします。 このとき、以下の問いに答えなさい。

(1) 太一君の歩く速さは分速何mですか。

 

【解説】

麻布の算数では『問題用紙の余白は計算などに使ってかまいません。 ただし、答を求めるのに必要な式、計算、考えなどは、指定された枠内に順序よく書きなさい。』という指示がされています。 下のイメージは原寸大の問題用紙の枠内に書いたものですが、「解答例」というよりも「解説」に寄った書き方かも知れません。

f:id:komazawajuku:20180504005904j:plain

スタートは左上の「ダイヤグラムのようなもの」です。 そこでは「ふだん」と「火曜日」を比較しています。 (「のようなもの」と書いたのは原点のゼロや縦横の軸の説明が抜けてるからです。)

ダイヤグラムから<距離一定>の部分を見つけたことで、その右にある<テントウ虫>の速さと時間が反比例であることが出て来ます。

走ると3分の距離が歩いた時には 3 + 8 = 11(分)ですから、上の段右端の時間と速さの表で<タスキ掛け>で逆比にして、歩きと走りの速さの比として 3:11 が得られます。

あとは下の段で「ふだん」と「月曜日」のダイヤグラムから<距離一定>の部分を見つけて解答を得ていますが、説明は略します。

 

【<テントウ虫>の利用】

実際の麻布の受験生なら考えるときに<テントウ虫>を書く必要は無いです。 って言うか、そんなものを書いて考えてるレベルでは合格はおぼつかないでしょう。 

ですが、そこに至る学習の途中では、私はどのクラスの生徒にも<テントウ虫>を書いて考えることをさせています。 書かせる目的は「問題を解くための最初の一歩になるとっかかり」を見つけさせるためです。 具体的な事例は追々ご紹介させていただきますが、どのレベルの学校を受ける生徒であっても、本人が解くことの出来るギリギリの難しさの問題に挑戦するという面では同じであり、解くための第一歩を見つけるための武器は多いほど良い訳ですから。

 

このブログはリンクフリーです
リンク(はてな用語で「言及」)に事前連絡は不要です
出典を示して頂けるならコピーペーストも自由にどうぞ。
って言うかリンクやツイートでgoogleの表示順が上がるので大歓迎