ここしばらく、図形の回転移動を解説したページへのアクセスが増えています。 これはもしかして、四谷大塚の第6回合不合判定テストの大問5の影響かな? そこで解説の記事を書きました。
図形の回転移動を解説したページへのアクセスが急増しているのはマイクロソフト系の「Bing」とドコモの検索ページ(search.smt.docomo.ne.jp)からの来訪で、GoogleやYahoo!検索からの来訪者では増加していません。 原因はたぶん検索エンジンがデータを更新する速度の違いかな?と考えているのですが、興味深いです。
(以前、この記事で最新版の情報を検索するのはGoogleよりBingの方が良さそうだと書いたことがあります。)
受験情報の検索方法:その4 - 駒澤塾:中学受験の算数・理科
それはさておき、
四谷大塚の合不合判定テスト(四谷合判)の第六回に関しては得点と偏差値の対比表を記事にしています。
komazawajuku.hatenablog.com算数の平均点がこれまでの年度と比べて、非常に、と言うかもの凄く低くなっています。 問題ごとの正答率を見ても他の回の合判とくらべて異常な値でした。
大問5の正答率は(1)が男子26.4%、女子18.0% (2)は男子22.2%、女子13.1%
【問題】
(図1)のように, 2つのおうぎ形A,Bがあリます。おうぎ形A,Bはともに半径6cmで,中心角は30度です。
(図2)のように, この2つのおうぎ形を半径がぴったリ重なるように置き,おうぎ形Aをすべらないようにしておうぎ形Bのまわリを矢印の方向に転がしていきました。
そして,(図3)のように再び半径が重なったところで転かすのをやめました。
これについて,次の問いに答えなさい。
(1) おうぎ形Aの点Oが動いたあとの線の長さは何cmですか。
(2) おうぎ形Aが動いたあとの図形の面積は,おうぎ形Bの面積の何倍ですか。
【解説】
図形の回転移動の問題に対しては、次のような作業を番号の順にすると解けるようになります。
<作業1>中心をさがせ!
<作業2>半径をさがせ!どんどん書き込め!
<作業3>中心角をさがせ!
この作業手順に関する詳しい解説は、こちら。
まず回転移動のスタート時点で、中心は赤く塗った点で、半径は6cmです。
そしておうぎ形AとBの半径が一直線になった瞬間、中心が左端に移ります。 この問題を解けなかった生徒は、ここが分らなかったのだと思います。
上の動きを分からせるのが、次の図です。 2つの円の接点は、必ず両者の中心を結ぶ線分上に有り、その長さは半径の2倍になる。 出題にこの要素を入れるると、正答率がガタンと下がります。
この後は前半と同じく、半径6cmで180度、動きます。
点Oの動きが分かってしまえば、後は円周率の計算を効率的にやるだけですし、(2)の面積を考える問題も難しくないはずです。
回転移動の問題が苦手な場合、「実際に回転移動させてみる」とイメージが湧きます。 そのための教材を作る方法は、こちら。
イメージを持った上で必要なのが「手を動かして書いてみる」ことです。 腕を組んで問題を睨むだけで解けるようになる可能性は、かぎりなくゼロに近いです。
2022-09-12追記:
類題:渋谷幕張 2021年