成績が伸びる受験生の特徴のひとつに「3分間を無駄にしない」が有ります。
たとえば朝食を終えて小学校に登校する前の3分間。
たとえば集団塾で10分間の演習中に、7分で解けてしまった時の残り3分間。
たとえば自習室に席を定めて問題集を開くまでのスピードなど。
校舎に設置されるクラス数が少ない場合、どうしても生徒の解答能力に差が出ます。
「10分で解いて」と演習をさせると、7分、あるいは5分くらいで解いてしまう生徒がでます。
この時に静かに手を上げて、時間が余ったので宿題に手をつけて良いか尋ねる生徒が居ます。 (私は授業開始前に宿題範囲を宣言することが多いです。)
手元の解答を見て正解ならばOKを出すのですが、このような質問をして来る生徒は伸びます。
まあ大多数の生徒は「貴重な休憩時間」という顔をしてぼーっとしているのですが。
余った3分を無駄にしない生徒、休憩をする生徒、それともうひとつグループが有って、それはまったく鉛筆を動かさずに解説が始まるのを待っているだけの生徒たちです。
授業に受け身の姿勢で参加している生徒には共通した特徴があります。
授業後に自習室に残る場合にも、問題集を開くまでにやたら時間を使うことです。
自習室に席を定めてからの様子を見ていると、先ほどの余った時間を有効活用する生徒は1分もしないうちに問題の演習を始めています。
休憩時間として使った生徒たちも数分間で演習を始めます。
解くための努力もせずに解説を待っているだけの生徒は・・・
・カバンからテキストを出し、
・それをしまって別の科目のテキストを出し、
・ぱらぱらめくって中身を確認し、
・さぁ始めるかと見ていると、また科目を変更し、
・筆箱を取り出すと、筆記用具の整理を始め、
・教室内の机を丹念に確認して、見つけた忘れ物を得意顔で届け、
・ようやく演習開始か、と思うとまたまた科目の変更をし、
・やっと鉛筆を握ったかと思ったら、それを置いて辞書を借りに立ち上がり、
・一心不乱に何かの言葉を調べ(机の上に出てるのは算数のテキスト)
・他にやることが無くなると、だらだらと問題を解き始めます。
とにかくもう、演習を始めるまでに想像を絶する時間を浪費します。
そういった生徒たちがキビキビした動きをするように導くのも講師のたいせつな役目です。
「早く始めなさい」と言うのは効果が薄いです。
自習室の場合なら、入室して演習を始めるまでの時間を測って、それが短い生徒を褒めるのが効果的でした。
基本動作をキビキビするようになった生徒の多くは、学習への姿勢も良くなりました。
意識の持ちようは行動に影響します。
逆に、行動を律することで意識も良い影響を受けると考えます。
ご自宅での学習での様子はどうでしょうか。
きちんと学習を始めていますか?
背筋を伸ばして良い姿勢で勉強していますか?
勉強中に他のことに気が散っている様子はないですか?
具体的に何をすればよいか明確に指示し、
それをしたら褒め、しなかったら叱る。
これをご家庭で指導され、しっかり褒められて来た子が3分間を無駄にしない生徒だと思います。
イラストは『ツカッテ』から