点光源、たとえば街灯から離れて行くように歩いている人の影についての問題を解くコツを書きます。 コツがわかってしまえば、基本的な平面図形の知識で解けます。
平面図形の影の問題で、平行光線(太陽光)よりも放射光線(街灯などの点光源)を苦手とする生徒は多いです。
平行光線(太陽光)でできる影の問題の解き方は、ここで書きました。
この問題を解くコツは二つです。
<1>棒とその影の作る三角形を必ず書かせる。
<2>水平な補助線を引かせる。
これにより相似の関係になる三角形を問題の図の中に見つけてしまえば、あとは容易に答えを得られるはずです。
それでは点光源、たとえば街灯から離れて行くように歩いている人の影についての問題について、解くためのコツを説明しましょう。
例題は森村学園の2007年(平成19年)の大問5番です。
【問題】
太郎君は身長160cmです。太郎君が街灯から1mのところに立つと影の長さは50cmでし
た。その影の頭のところに①という印をつけました。次に①のところに立ち,その影の頭のところに②という印をつけました。このことをくり返すとき,次の問に答えなさい。
(1)街灯の高さは何mですか。
(2)太郎君が①のところに立ったとき.影の長さは何cmでしたか。
(3)太郎君の影の長さが身長より長くなるのは何番の印のところに立ったときですか。
【解説】
この問題でポイントとなるのは、
・街灯の高さと太郎君の身長は一定
・差を考えるということ(影の長さは差)
という二つです。
問題を読んだ瞬間に念頭に浮かべられるようになれば、解けるようになります。
(1)街灯の高さ
太郎君の街灯からの距離(1m)+影の長さ(0.5m)が何かわかれば解けます。
合計の(1.5m)は、街灯から影の頭の所までの距離です。
正しく書き込まれた図が書いて、3:2:1がどこの相似比か確認しましょう。
街灯の高さは太郎君の身長の3倍です。
1.6m × 3倍 = 4.8m
(2)①での影の長さ
街灯の根本(点Q)から地点①までが比の2に相当します。
影の長さは、3から2を引いた比の1に相当します。
(1m+0.5m) ÷ 2 × 1 = 0.75m = 75cm
(3)影の長さが身長を越えるのは
太郎君がどこまで歩いても、3:2:1という比は変わりません。
影の長さが太郎君の身長(1.6m)と同じになる時の、街灯から太郎君までの距離は、
1.6m ÷ 1 × 2 = 3.2m です。
①の地点は (1m+0.5m) = 1.5m でした。
②の地点は 1.5m ÷ 2 × 3 = 2.25m
③の地点は 2.25m ÷ 2 × 3 = 3.375m
3.375m は 3.2m より長い、つまり影の長さは1.6m より長くなる。
よって答えは 3番
上位の学校になると放射光(点光源)の作る影を<立体図形>で考えさせる問題がでます。
それらの解き方は、追って書きます。
2023-02-26 書きました。