2023年度、中学入試、理科の出題新傾向に関する記事です。
私が注目している理科の出題傾向を列挙します。
・植物分布(バイオーム)
・リニアモーターカーの仕組み
・おもな水溶液のpHの数値
・流星群の見えるしくみ
・カーブミラーに映る像
・水の状態図(三重点)
・動物の成長(生存率曲線)
・水の作る地形(河岸段丘、海岸の地形、氷河によるU字谷)
・斜面に置いた箱の転がり(重心)
・金属の原子配列(面心立方格子、体心立方格子)
・ヒトの誕生過程
・大気の安定と不安定
・注意報、警報、特別警報の違い
・観天望気
・ばねの圧縮(箱に押し込んだばね)
実は、上に列挙した項目は、この春にリリースされた四谷大塚の予習シリーズ理科の小6上巻新装改訂版で目についた追加項目そのものだったりします。
四谷大塚のカリキュラムは一昨年から大改訂が行われています。
一昨年は小4、昨年は小5のテキストがリリースされ、今年は小6の上巻が出ました。
どの科目も内容が大幅に増強・前倒しされています。
理科に関しては、小5の下巻での詰込みがすごかったため、小6の上巻がどうなるのかちょっと心配でした。
まだ、ぱらぱらとめくってみたレベルですが、記憶にある旧版と比較して、増えたと感じたのが列挙した項目です。
改訂版で内容が強化されたということは、最近の出題新傾向の問題であるということ。
たしかに、どれも最近の入試問題で見た記憶のあるものです。
逆に言えば、
今年の受験生は旧版の最後の利用学年ですから、上に挙げた項目は予習シリーズには収録されていない知識だということです。
あと2日の間に、ざっとでも見ておくと良いと思います。
列挙した項目の中で特に注目しているのが「植物分布(バイオーム)」です。
関連した出題は、2015渋渋、2015女子学院、2017女子学院、2017渋幕、2018獨協埼玉、2018海城、2019浦和明の星、2022吉祥など多数あります。
2018年にはセンター試験の生物基礎でも扱われました。
とりあえず短時間で「植物分布(バイオーム)」を学ぶなら、2017年の渋谷幕張の入試問題をお勧めします。
良くできた入試問題は、最高のテキストになり得ます。
入試問題と解答は四谷大塚の過去問データベースで手に入りますので、解答を見ながら問題を読んでおくだけで勉強になります。
列挙した項目の中で、ちょっと例外的なのが「金属の原子配列(面心立方格子、体心立方格子)」です。
出題の件数は多くありません。 農大第一の2018年第2回で見たことはありますけど。
ただ、昨年の2022年は「国際ガラス年」でしたので、非晶質のガラスの反対で、結晶構造にはちょっと要注意かも、という程度です。